検索窓
今日:6 hit、昨日:10 hit、合計:39,045 hit

弐拾弐 ページ23

「帰ろう。一緒に。」

座って、その小さな背を撫でれば
泣き腫らしてる顔をあげて

『...嫌いになったんじゃないの、うんざりしたんじゃないの、...俺もう、一緒に居られる自信ないよ...。』

そう言って遠くを見詰めた。


『だって、俺の家族は...受け入れてくれない。馬鹿にしたような事しか言わないし、だから俺も言えなかった...。言ってみたら冗談って蹴飛ばされて、嘘だよね?って泣きそうな顔されて、俺はもう...どうしたらいいの...。』


「....Aは、俺と居て辛い事幾つあった?」


理由が分からないと言った顔のAに良いから。と催促して、数え始めるのを見詰める。


『...えっと、誰かと話してる時、俺の知らない黎が居る時、黎といる時間が取れない時、喧嘩した時、かな...。』

「その、ひとつ余る指の数は愛しさ(好き)じゃないのか?」

だって、とAの頬を包み

「その辛いは、好きだからこそだろう?」

そう言って瞳を見詰めれば、ポロポロと涙を落とす。

『好き、だから..、好きだから、黎に、幸せに"っなって、欲しくてっ、どうしたらいいのか、わかんない、しっ、でもぉ"、俺どうし、ても黎が、良いからっ、あきらめたく無くてぇ"』

「おうおう、全部一緒だよ。
どうしたらいいのかもわかんねぇし、正直受け入れて貰えなかったら相当ショックだと思うけどさ、Aとの未来以外俺描けないんだよ。
だから、どうなっても、俺と一緒にいて欲しいんだ。好きだから、離したくないから、どうしてもどんな未来でも、境遇でも、Aとなら大丈夫だって思えるんだよ。」




そう言って、抱き締める。

弐拾参→←弐拾壱



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (55 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
155人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:MeyA | 作成日時:2020年10月10日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。