弐拾壱 ページ22
ブロットに飲まれて、真っ暗な中を歩いていた。
ひとつひとつぶら下がっているAの気持ち、考えてる事を見ながら。
【初めまして。黎くん。】
突然小さいAの様な子に話しかけられた。
「....初めまして。えっと、君は誰?」
【ぼくは、ぼく。君もよく知ってる。でも、君は未だ知らない。】
「....それは、Aって事で良いか?」
【そう。その通り。
俺はぼくで、ぼくは俺。
いつかの彼が置いて行ったぼくだよ。】
「そうか...。場所を知ってるか?」
【君は、誰?】
「俺は、黎だ。」
【根拠は?】
当たり前だとでも言う様に、尋ねる男の子に首を傾げる。
【自分が自分である根拠。無いよね。
だから、根拠の無い事はなんでも出来る。自分で形を変えられる。此処はそういう場所。】
「どういう、」
尋ねる前に、男の子は消え何も無い闇がただ広がっていた。
「根拠の無い事.....。」
少し考えれば、泣き声が聞こえてきた。
泣き声を辿って、Aに会いたい会いたい。
と、探して歩けば小さく震える見慣れた背中があった。
.
.
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「A」
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作者名:MeyA | 作成日時:2020年10月10日 11時