三 上 ページ3
※注意 創作要素有 苦手な方はGo back
祭りの準備で賑わう浅草の町のとある一角。
目立たない様に木々が神社を囲み少し離れた所から居酒屋の和気藹々とした声が聴こえる。
かつては立派な神社であっただろう朱色の塗装が禿げた鳥居の先に二人、この場所で不釣り合いな格好で立っていた。
片方はまるで虜囚の様な拘束具を身に付けた女性らしき姿。
もう片方は目隠しと思われる布を垂らし、赤い十字が特徴的な白い中華服を身に纏っている男だ。
「懐かしいかい？可愛い可愛い僕の龍。」
「すっかり大きくなって嬉しいよ。」
「結局アドラバーストは君に現れなかったけれど。」
「君が強くなって暴れ回ってくれるだけで僕らは動き易くなるからね。」
中華服の男が彼女を引き寄せると虚ろな目で崩れた鳥居を見詰める。
「ここでこれから君は過去を決別するんだ、思い出を棄てるんだよ。」
「両親を殺したようにね…」
その時だった、鳥居の方から男の声がした。
「アンタらここで何してんだ！！」
生憎と神社の跡地には蔵があり、男は祭の道具を取りに来た居酒屋の主人だった。
「ここは他所もんが乳くりあう場所じゃねぇんだ！帰った帰った！ったく…」
中華男の服を掴み引き摺り出そうと主人が近付いた時に女性の顔を見る。
「…あ？」
その女性の顔に見覚えがあるなと主人が覗き込むと我関さずを貫いていた中華男が主人を制した。
「ちょっと、近付かないで貰えないかな君。」
制された腕をふり払うと主人は声を荒らげる、そして首辺りの服を捻り掴むと突き飛ばした。
「アンタただこの子と楽しもうとかってつもりじゃなさそうだな、えぇ？」
主人が見た女の顔は酷い物だった。
無言を貫いていた女、いや発育不良によりまだ高校生程度にしか見えない彼女の表情は明らかに死人のような物だった。
何も感じていない、考えていない、命令を待つだけの機械だ。
主人は自分でも担げるだろうかと女を見る。
中華男が手を上にあげた直後
「何考えてんだか知らないけどなぁ、どっからどう見たってアンタがおかしい奴だって事はわかるわ！」
逃げるが勝ちって言うだろと怒鳴り主人は女性を担ぎ走り出す。
予想通り拘束具の下は痩せ細っている感触だ。
全力でせめて居酒屋まで逃げればと走る。
「逃がすと思うのか、糞爺」
鋭い熱風が主人を包み込む。
息をする度に熱で喉や口が痛い。
そこで主人は自身がしたミスを知る
「くそ、勝てない喧嘩なりゃ買わなかったのに…」
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初恋もふもふ - さはらさん» コメントありがとうございます！少し改行してみました。これ以上改行すると小説の雰囲気が崩れてしまうと思うので読みにくかったら申し訳ないです…( ´･ω･`) (2019年10月13日 23時) (
レス) id: 2eca31752b (このIDを非表示/違反報告)
さはら - 改行されているともう少し読みやすい気がします！これからも、頑張ってください！応援しています (2019年10月13日 17時) (レス) id: 39ab85e727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：初恋もふもふ | 作成日時：2019年10月11日 23時
