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涼介を強く押して逃げるように学校を出た。

心臓に大きな波が押し寄せてきて、どくどく煩い。

先生からもらった指輪を帰り際に川に投げ捨てた。
この指輪を手放したら、周りの目から解放されると思った。



「指輪に罪はないだろ」

「…っる、さいな。ほっといてよ!」

だいたい、僕たちの秘密を暴いて探偵ごっこなの?

涼介は、いつまでもばかみたいに大騒ぎして、ばかな連中と絡んでて。

そんな涼介が側にずっと居たから、僕の心は大人に向いた。

「涼介のばか、ばか、っ、涼介…」

スクールバックを苛立ちのまま彼に投げつけると、それは彼の足元に落ちた。

筆箱が遠くまで吹っ飛ばされて虚しく広がった。

「ほら、リンゴ買ってきた。切れてるやつ」

「いらない!!」

「いいから食べて。」

無理矢理口にいれられて、泣き顔のまま思い切り噛んだ。
しゅわりと音がして、甘い。

「コンビニで買ってきた」

「…ばかみたい」

きっちり僕のバックを直した涼介は、僕の頭を撫でた。

子供かよ。

「ばかみたいにお前が好きだよ」

「知ってるよ」

そんなの、ずっと知ってるよ。

「先生のこと吹っ切れたら、知念からキスしてね」

「死んでもしない」

タコの口をした涼介の顔ばぶっさいくで、口の端が持ち上がった。

僕たちのファーストキスまで、もうちょっと待っててね。

おいしいな、リンゴって。

1st kiss (4) yb×ar→←1st kiss (3) ym×cn



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作者名:濃いピンク | 作成日時:2018年6月18日 21時

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