初めてを経験中2

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「こんなとこでなにしてたの⁇」









あたしからそっと離れた風磨は、

ブランコのすぐ前にある低いフェンスに腰掛けて、

あたしのことをまっすぐに見つめる。









あたしは、そんな風磨の影を、

あたしの方にまで伸びてる影を

じっと見ることしかできなくて。









「…なんかあった⁇」









なんでだろう。

1人でいる時は枯れていた涙が、

風磨の姿を見たら、優しい声を聞いたら、

またこみ上げてきて。









…あたし、なんで、泣いてるんだろう。









『…うぅ…っ』



「あぁ、もう。泣くなって、泣き虫。」









ちっちゃなため息をついた風磨は、

再びあたしのとこまできて、

しゃがみこんで、そっと涙を拭ってくれる。









「言いたくないなら、言わなくていいから。」









心配そうな風磨の顔。









また男の人になんかされたって思ってる⁇



それとも、ただあたしが迷子になったとか、

中島とはぐれたとか思ってる⁇









『…のね、っ』



「ん⁇」









あたしの小さな声を聞き取ろうと

顔を近づけた風磨がそっと重ねた手のひらを、

ギュッと握る。









『あのね…っ、中島に…キス、された…っ、』









口に出した瞬間、

またさっきの、土手の土の匂いと生ぬるい風。

手と体の温度。

重なった唇の感触。









…そして、ゆらゆら悲しそうに揺れてた中島の瞳。









全部が全部、ふわっと蘇った。

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