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「はいよ、どうもね〜!」
威勢のいいおじちゃんから
りんご飴を受け取って
るんるんで屋台から離れる。
狭い通路は人でごった返していて
その流れにのって愛理のとこまで行こうと
踏み出したときだった。
「ねえねえ、君1人⁇」
「うわ、超可愛いじゃん!
よかったら俺らと遊ばねえ⁇どっかいこーよ」
人混みから現れた、
同い年かちょっと上くらいの男の人4人組。
「ね、いいじゃん♪」
立ち尽くすあたしの腕を絡め取って
ぎゅっと掴まれる。
『いや…っ』
触れられた途端、
あの日のことを思い出して
頭が真っ白になった。
「別にいいじゃん〜奢るよ⁇昌也が」
「は⁉また俺かよ!笑」
あたしのことなんて気にもせずに
楽しそうに話す4人。
『いや…っ!離して…ください…』
「え、ちょっと泣かないでよ笑
遊ぶだけじゃん、ねえ⁇」
あたしはどうすることもできなくて
静かに涙が流れる。
震える手から買ったばかりのりんご飴が
ポトッと落ちてしまった。
「あ、落としちゃったね。
いいよ、俺らが新しいの買ってあげる」
「さ、早く行こーぜ、混んできた」
そのままあたしを囲むように
1人があたしの肩に手をかけて
歩き始めようとする。
怖い…いやだ…助けて……っ
怖くてぎゅっと目をつぶった時だった。
.
.
.
「ねえちょっと
これ、俺のなんだけど 」
突然、ぐいっと肩を抱き寄せられて
後ろから低い声がした。
あたしを包むように回された腕はあったかくて
振り返らなくても、
いつもと違う低い怒った声でも、
あなただってわかって安心して
我慢してた涙がさらに溢れ出た。
「は⁇」
「人の彼女にちょっかいだして
泣かせないでくれる⁇」
「…こいつが勝手に泣いただけだし」
「……お前ら、次手出したら許さねえ」
「……」
強気だった男たちも、
彼の怒ったオーラに負けて黙り込む。
「…行こ、
.
.
.
A」
もう一度男たちを睨みつけて
彼はあたしの手を握ると
人混みの中を掻き分けるように歩き出した。
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葵 - とっても続きが気になります!希さんの作品全部読みました(*^^*)とくにこの作品が大好きで続きが楽しみです♪ (2016年8月15日 3時) (レス) id: 1aafbd4d49 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - はじめまして。この作品を読んですごく面白かったので、続けて更新してほしいです。 (2015年10月11日 8時) (レス) id: c0976e2628 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - はじめまして。この作品を読んですごく面白かったので、続けて更新してほしいです。 (2015年10月11日 8時) (レス) id: c0976e2628 (このIDを非表示/違反報告)
やばすてぃっくパイナポー(プロフ) - はじめまして!今日この作品を初めて見つけて、読み始めたら止まらなくなっていました。「初めてを経験中」すごく素敵な作品でとても好きです。お忙しいと思いますが、ぜひ完結まで頑張って欲しいです!受験も占ツクも応援しています! (2015年10月4日 22時) (レス) id: 90f2ab130f (このIDを非表示/違反報告)
MIINA(プロフ) - 本当に素敵な話でとても楽しく読ませていただいてました。更新がなくてもまた復活すればいいなぁと思っていたお話なので再開していただけるととても嬉しいです!続けていただけるようでしたらこれからも更新頑張ってください!応援してます。 (2015年9月28日 19時) (レス) id: f87713c352 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:希 | 作成日時:2014年7月10日 20時