7cmの背伸び/古市左京 ページ22
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「………さて、どこから回るか」
左京さんが見てるのは遊園地のパンフレット
私は今日、左京さんと一緒に遊園地に来た
付き合ってから初めてのデート
いわゆる『初デート』というやつだ
(絶対大人っぽいところを見せたい……)
そう……私は今日一つの目標があった
それは左京さんに大人っぽい彼女と思われること
私と左京さんは七つも年が離れている
左京さんから見たら私は"子供"
でも私は彼女として見られたいんだ
化粧もバッチリしてきて
洋服もちょっと高めの服を選んできた
今日は絶対に大人っぽく振舞おう
と決めていたけど
「おいA……ちゃんと聞いてんのか?」
「あっ………はい……」
今の状況を簡単に説明すると
左京さんが私の手を握っている
別に照れた様子はなく、彼は普通に手を握っていた
しかし私の頭は爆発寸前だ
手を繋ぐだけで照れるなんて情けない
「左京さん!あれ乗りましょう!」
私は照れを隠しつつ大きな声で指を指した
「……観覧車か?ああいうやつは夜に乗るのが普通なんじゃないか?」
「今!!!!乗りたいんです!!!!!」
左京さんは眉を曲げつつ仕方ない、と言い観覧車の方に向かった
観覧車
それはカップルが遊園地に行ったら絶対に乗る乗り物だ
密室ということでドキドキも増すだろう
「絶対ドキドキさせてやる……」
私は左京さんには聞こえない声で呟いた
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