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ケーキを食べ終えしばらく歩くと『ここだよ!』と彼女は一つの店を指さした。
彼女が指さした場所にはこじんまりとした可愛らしい外見のお店があって、そこは街で1番おいしいと評判がある俺が一番好きな店だった。
俺は驚いて口をぽかんと開けているとAは俺をおもしろく笑い、そのままスキップをしながら店へ入っていった。
店に入るとさっきの店のように女の客が多くいて、ほとんどの人が俺の方を見て驚いたようだった。
奥の席にAが座ると彼女ははりきって店員を呼んだ。
『例のやつ、お願いします!』
そうAが言うと店員は「かしこまりました。」と一言いい、俺の方を見てニコッと笑って去っていった。
しばらくすると辺りが真っ暗になり、遠くから明るい声が聞こえてきた。
「「「はっぴばーすでーとぅーゆー♪
はっぴばーすでーとぅーゆー♪」」」
そう聞こえると俺の目の前には特大のケーキが運ばれてきて、ケーキには《じゅうざくん、おめでとう》と書かれてあった。
俺はびっくりしてAの方を見ると、彼女は微笑みながら一緒にその歌を歌っていた。
「「『はっぴばーすでーでぃーあ
じゅうざくーん!!!!
はっぴばーすでー とぅー ゆぅー!』」」
歌い終わると周りからは溢れんばかりの歓声があがっていて、俺は何が起きたのかわからなかった。
するとAは俺に声をかけ、手紙のようなものを差し出し俺の方を見て話した。
『十座くん、お誕生日おめでとう。
十座くんのお誕生日、ずっとお祝いしたくって、実はずっとプラン立てて一人でワクワクしてました。(笑)
こんなプランしか準備出来なかったけど、これからもっともっと大好きな十座くんと思い出作りたい!から...
私とこれからもずっとずっと付き合っていてください。』
Aは目に涙を溜め天使のような表情で俺に気持ちを伝えてくれた。
俺はその姿を見て動かずにいられず、思いっきりAを抱きしめた。
「ありがとう、A。
俺はAと出会ってたくさんの新しいことを学んだ。
これからは俺がその分、しっかりAを守っていきたい。
...から、俺の隣にずっといて下さい。」
そうAに伝えると彼女はまたニコッと笑い、そのまま唇を合わせた。
俺にとって、はじめてのキスは甘いケーキの味がして、最高のプレゼントになった。
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