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▽ ページ17
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「 なんでそんな拗ねた顔してんだよ 」
してない、なんて誤魔化すと彼は強引に私の腕を掴んで歩き出す。
校門を出て街へ出ると彼は腕から手を離して指を絡めて手を繋いだ。
恥ずかしくて、初めてて嬉しくて。
見上げた万里くんの顔は、まるで慣れているように恥ずかしい素振りも見えなくて。
なんだか少し切ない。
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連れてこられたゲームセンターは慣れない騒音だらけでまるで別世界だった。
両替機に慣れたようにお札を入れる万里くんを横目にクレーンゲームの中のぬいぐるみを見つめる。
「 あんさ、 」
その声に顔を上げると、その瞳は私と同じくぬいぐるみを見つめていた。
「 俺が好きなのはAだけだから心配すんな 」
チャリン、と数回音を立てて吸い込まれる小銭。
やっぱ、余裕っしょ。と小さく呟いて屈んで
ん、と言われながら押し付けられた。
ピンクのぬいぐるみ 。
『 万里くんかわいいなぁ 』
「 かわいいのはお前だろ 」
拝啓 私たちはこれからもでこぼこの恋を進めていきます 。
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甘いお菓子と、君と。/兵頭十座→←拝啓 俺が好きなのは / 摂津万里
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