SNS禁止令/三好一成 ページ13
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「Aちゃーん!おつピコ☆そろそろ行けそう?」
「あ、カズくん!うん、大丈夫だよ」
彼、三好一成と付き合い始めてから初めてのデート
友達の期間が長かったため、改めて恋人として出かけるのは少しだけ緊張する
デートと言っても、今日は大学の講義が終わってからの予定で放課後遊びに行くのと何ら変わりは無いんだけど
「今日はサイッコーなプラン考えてるから楽しみにしててね」
「うん!楽しみにしてるね」
「ちょーーーフォトジェニックなデートスポットばっかりだよん!じゃあ、出発の一枚…」
私の肩を寄せ、くっ付いてしまうんじゃないかってほどに頬を近づけ写真を撮った
[彼女とデートなう!]
という言葉を添えて
カズくんのインステを確認してみると、光の速さでええなが付いておりSNS慣れしていない私は嬉しいやら恥ずかしいやらで顔を覆った
「行こっか、」と優しく微笑んで私の手をさりげなく取り歩き始めた
友達の多いカズくんと人付き合いが苦手な私は、大学の実習室で出会った
課題用の絵を仕上げに実習室に向かうと、そこにはもう先客がいて人見知りな私は場所を変えようか迷っていた
「あっ、ゴメン!ここ使う?俺の荷物どかすからちょっと待ってて」
そう言ってキャンバスの前から退いた時、カズくんの描いた絵を見て私は思わず零してしまった
「綺麗………」
「え?あ、ありがと…」
照れた様に下を向いて笑った貴方は優しい夕陽に照らされて、きっと私はその瞬間に恋に落ちていた
そこから実習室で何度か顔を合わせる様になり、連絡先を交換してSNSで繋がった時彼の人気ぶりに驚いたのは今でも覚えている
「着いたよ〜!ココ!!最初はやっぱり定番のパンケーキ屋だよね」
「あ、テレビで見たことある」
そこは流行に疎い私でも知っている話題のパンケーキ屋さんだった
カズくんは人が少ない時間帯を調べてくれたらしく、並ぶ時間は少なく済んだ
やっぱり、こういうことに慣れてるのかぁなんて少しだけ顔も知らない誰かに嫉妬した
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