信じなくていい、私も信じないから【刀剣乱舞】

44 ページ47

・




審神者と別れて、縁側をゆっくりと歩く。





どうしてあの審神者はわざわざ自分から危険な方へ身を投げるんだろう、どうして全てを“仕事だから”と割り切っているんだろう。





どうして、どうして、どうして。






「……らしくない」






関係無いのに、あの審神者が気になる。






「お礼は言わないとだけど……って、うわっ！」






ドタン、と大きな音と共に前のめりにこけた。





上の空だったから足元に何かあるのに気づかなかったんだろう。






「痛ったぁ……。あれ」





「おお、加州じゃないか。どうした、こんな所で」





「三日月……。何抱いてんの？」





「んん？あぁ、こんのすけだ」






なんの経緯で抱いてんのか気になるんだけど…。






「どうした、加州。何か悩み事か？」





「……まぁね」






大したことじゃないけど、そう言うと三日月はその目を俺に向けた。






「どれ、俺が話を聞いてやろう。なに、俺はこう見えてじじいだからな、それぐらいは出来るぞ？」






膝にこんのすけを乗せて、にこやかにそう言う。





あの目に見られるのは苦手だ。





何もかも見透かされたような変な気分になる。






「……そうだね」






俺はゆっくりと三日月の隣に腰掛けた。

45→←43

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す