近くて遠い-2-~Fuma.K (ページ8)

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A『医者になったのもおばあちゃんにお金がたくさんもらえる仕事って教えてもらったからなの。

そしたら私もなにか手伝えた事になるかなって……

無駄になっちゃったけど……』

辛い……と一言で片付けてはいけないと思うほど衝撃的な内容で俺はどう声をかければいいのかわからなかった。

でも一つだけ思うことがある。

風『……………なんで』

A『？』

風『なんでそういう時に限って頼ってくれねぇんだよ……』

ただそれだけ。

もっと頼って欲しい……

A『だって迷惑かけちゃう……』

風『迷惑だって思った事なんて今の今まで1回もない。

嫉妬された時も、わけも分からず泣き出した時も……

全部迷惑なんて思ってない。』

A『なんで……』

なんでって……

そんなの決まってんじゃん。

風『好きだから。』

A『!?』

風『10年間、忘れたことは無かった。』

A『………………。』

風『……って重いよな、ごめん。』

A『そんなことない！』

風『………………。』

A『私がこの箱の中身を捨てられなかったのは顔がバレるといけないからだけじゃないもん！』

風『………………、』

A『私だってずっとす……!?』

Aが言い終える前にギュッと抱きしめた。

風『もう……俺のでいいんだよな……？』

A『うん。』

風『もう勝手にいなくならないよな？』

A『うん、もう離れたくない。』

風『A……』

抱きしめていた体をそっと離して

今までの時間を埋めるように

長い長いキスをした。

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