近くて遠い-2-~Fuma.K (ページ6)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:41,448 hit

56 ページ6

.

your Side

家に帰るといつもいるはずのお母さんはいなくて代わりにおばあちゃんがいた。

そして帰るなりおばあちゃんが部屋にあるアルバムとか私に関わる物をまとめてて…

それを持って家を連れ出された。

わけもわからないまま連れてこられたのは少し古びたアパート。

その一室の鍵を開けて中に入る。

A『ねぇ、どうしたの？』

祖母『いいかい、落ち着いて聞きなさい。

お父さんとお母さんが亡くなった。』

A『……え？』

祖母『それだけじゃない、たくさんの借金がある。

今はおじいちゃんが身代わりになってくれてる。

Aはこれから私と2人で暮らすんだよ。そして名字もかわる。

間違っても今の名字は口にしたらダメ。今からは浅雛と言いなさい。

借金取りがAを探すはず、そしたらなにをされるかわからないからね。』

A『じゃあおじいちゃんは……』

祖母『もう会えないと思って。』

A『やだ……そんなのやだ………』

祖母『今日から学校も変わるからね。』

A『え……』

祖母『彼氏とは別れなさい。』

A『風磨くんと…別れる……？』

祖母『相手に迷惑がかかるよ。』

A『そんな……』

祖母『今外に出ると危ないから手紙かなにか書きなさい、私が出してくるから。』

A『もう……あえないの？』

祖母『そうだよ、お父さんにもお母さんにも、おじいちゃんにも友達にも彼氏にも会えない。新しい学校では友達も作らないこと。』

A『やだよ……』

祖母『……おばあちゃんもおじいちゃんに会えないのは嫌だよ、でもこれしかAを守る方法がないんだ。』

A『守る……』

祖母『Aにはこれから大変な思いをまだまださせるかもしれない、でも何があってもおばあちゃんが守るからね？』

A『…私がいなくなることは風磨くんを守るためになるの？』

祖母『……悲しいけどそうなるね。』

風磨くんのため……

A『わかった、手紙書くから待ってて。』

風磨くん……

約束破ってごめんね。

風磨くんの夢……応援してるからね。

頑張れ。

.