終幕 ページ13
「……そう言ってもらえるなら、バビルスの一教師としては、光栄です」
ちょっとフリーズしてから、回復したエイトは、笑ってペンを差し出す。
「サイン、しますか」
「……えぇ」
迷いの無い手つき。
今度こそモネは、遂に、
「！！」
「！！書類が、」
名前を書いたところに、フェネクスの家紋が浮かび上がる。
書類が輝いたかと思うと、そこには、契約完了の文字が、くっきりと浮き出ていた。
その紙を、モネは静かに見つめる。
そっと目を伏せて、息を吐いた。
「……終わり、ですね」
「………はい」
「お疲れ様でした、モネ先生」
「…………はい。」
「あ、あと、そのですね、」
遂に、真の意味でフリーとなったモネ！！！
彼女が悪周期の際、かなりド派手なことを、口走ったような気もするし、言うなら今日しか無ぁい！！！
だって、もう度胸が無くなりかけているんだッッ！！！！！
「……っその、」
最初は、ヴァイオリンが上手いな、って。音楽教師って凄いな、って。それだけで。
でも、とんでもないバーサーカーで。
料理が下手すぎて、教師寮のキッチンを、破壊したこともあって。
音楽祭では、教師陣のサプライズパフォーマーを決めるくじで、ダリ先生が細工してて。
ツムル達とも、いろいろあったけど、バンドは大成功で。
そのときに、過去も教えてくれたんだよな。
心臓破りでは、MOSをスルーされてはいたけど、大活躍して。
ランクも
そういえばあの後、イルマ君に弓を教えていたっけ。
とにかく、たくさんのことがあった。
「……僕は、この一年で、モネ先生の魅力をたくさん知りました」
これを、諦めたくはない。
だから、
「これからも、僕のそばにいてください、！」
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作者名：Sela | 作成日時：2023年5月10日 21時
