はい息吸ってぇ吐いてぇ ページ2
「…………それ、マズいですよね。」
数週間前から、モネは悪周期が近かった。
ピアスを外しはしないだろうから、万が一はどうにかなるだろうが、ちょっとマズい。
なんだかんだで、忙しかったのだ。仕方がない。
とはいえ、時期が悪く、ストレスが溜まりやすい、この状況。
侵入者の件+実家の問題。
さらに今日は、その実家に行き、両親と再会する、ときた。
え。
「実家の件が解決してから、発散するとのことで。それまでは、と、抑制剤を調合して、毎日渡していたんですけど。」
バラムは、さっきから、口元をずっと手がうろうろしている。
金属音がうるさい。
「最近は、ストレスも酷いようで。普段の抑制剤だと、効きが悪くなったんですよ。体の慣れ、でしょう。」
言われてみればと、ダリやエイトらは、思い出した。
そういえば1週間前、やたら口が悪かったが。まさか。
「それで、調合し直したものを、今日から渡す予定だったんですけど、今までのものを、間違えて渡してしまって。流石にもう、効きは殆ど無いですよ」
どうにかなるように、徹夜で仕上げたんですから、と言うバラムだが、話す本人よりも、顔が青い悪魔で、職員室は溢れかえっております。
「………………そっかー」
代表してダリ、一言。
だって、ヤバい。
何がヤバいかって、モネが行くのは、完全なアウェーだし、ストレスがどう頑張っても、一気にのしかかってくる。
フェネクスは、一応貴族。
万が一、どころか、万が九九九九、くらいの率だろうか。
悪周期で暴れれば、最悪、名誉毀損だか何かで、モネが訴えられる。
庇うことは容易いだろうが、ナベリウスのカルエゴや、三傑のサリバンは不在。
穏便に終わらせられることと、バビルスにいられるかどうか、ということは、全くの別問題である。
そして、1番の問題はっ、
「………………誰か、今日、コマ空いてるヒトいる?」
今日が、平日だということッ!!!!!!!!!
「…………モネ先生と、音楽で交換したので、」
「朝から4コマですね」
「1コマですが補習が、」
……………………ヤバくない?
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作者名:Sela | 作成日時:2023年5月10日 21時