happIness*2-43 ページ43
(翔side)
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その日の深夜、寝息をたてるAの傍に寄る。
数時間前まで、がたがたと寒さに身体を震わせていたけど、落ち着いたらしい。
熱を測ると、機械音と一緒に示された数字は"39.5"
滅多に見ない数字に目を開く
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おそらくここがピークだろう、あとはゆるゆると下がっていくに違いない、と思う自分と、
朝になっても下がっていなかったら病院かな、と思う自分と。
リビングに戻って小さな紙にペンを滑らせる、
念のため記録しておこう。
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22:00 38.8度
22:40 頭痛薬(解熱鎮痛剤)
02:30 39.5度
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早く良くなるといいけど、と息を吐く。
その日は久しぶりにソファで眠った、
独り暮らしの時は割と日常だったそれも、
Aと住むようになってから、滅多になくなった。
隣で眠るAは、もう俺にとっては日常だ。
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数時間ごとに起きて、様子を覗く。
メンバーが見たら、「そんなにお世話したいタイプだったんだね」
と言って笑うかもしれない。
楽屋での俺は、あまり彼女に手出しをしたり、甘やかしたりしないから。
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朝方、支度を終えて寝室を覗く。
数時間前と変わらず小さな山が上下していた、
寒さの震えは完全におさまったらしい。
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熱を測る、"38.0"
微妙……下がったのか？これは、
高熱なことには変わりないので、どういう判断を下せばいいのか分からない。
深夜のメモに今の時間とその数字を追加する、起きる気配はない。
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ベッドサイドに薬と、昨日食べなかったゼリーを2つ、
ペットボトルにストローをさして置いておく。
あと、何かあったときに連絡ができるように、彼女のスマホも一緒に。
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アイスノンはぬるくなってしまっていたので、
冷凍庫にもう一度しまった。
家を出る前に、もう一度寝室へ。
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「A？」
「……」
「行ってくるね」
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頭を撫でる、まるっこいそれはいつ見ても可愛くて、
長い髪の毛は、熱が出ていても関係なく、さらさらでつやつやだ。
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朝から昼まで取材。
自分で現場まで向かうとマネージャーには伝えてある、
朝早いけど出るだろうかと思いながら、ハンドルを握りながら彼女のマネージャーに電話を掛けた。
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