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都内にあるこのホテルの式場は、優太の事務所の人が幾つか紹介してくれた中のひとつだった。
本当はもっとこぢんまりとした、地元の式場でひっそりと挙げるのでよかったのだけど、優太の仕事柄そういう訳にもいかない。
それでも最小限の人数で、親族と仕事の関係者のみで執り行われることになったのは、一般人の私へ対しての優太や事務所の方たちの配慮だった。
まさか自分がアイドルと結婚するなんて思っても見なかったし、こんなに有名なホテルで挙式をするなんて。
この扉の先に待っている景色を想像して足がすくんだ。
「緊張するなぁ」
「優太も？」
「しないと思った？」
「うん」
「なわけねーよ、一生に一度、最初で最後だぞ？」
一生に一度。
最初で最後。
当たり前に言ってくれたその言葉がどれだけ嬉しいか。
「言っておくけど」
「うん」
「俺相当幸せだから、今」
その言葉に心臓が跳ねた。
「やめてよ、」
「はっ、なんでだよ」
「今そんなこと言われたら泣くでしょ」
「わ、ごめん！そっか、化粧か！」
「馬鹿〜。崩れちゃうよ」
「ごめんごめん！」
焦った優太が私の背中を優しく摩る。
その手は温かくて、何だかホッとした。
「私も言っておくけど」
「おう」
「相当幸せだよ、もうこれ以上ないってくらい」
「‥‥ん」
「どうしようもなく、優太が好きだよ」
優太の手を優しく握る。
私はこの手を絶対に離さない。
優太は私の一番好きな笑顔を浮かべた。
『そろそろお時間です』
スタッフさんの声で我に帰る。
結婚式というのは、人を素直にするらしい。
「じゃあ、待ってるから」
「うん」
「ぜってー来いよ！」
「行くに決まってるでしょ(笑)」
最後に"らしさ"を残して、重い扉の向こうに歩いて行く優太の背中を見送った。
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岸くん推し - あさひさん！はい！楽しみにしています！ (2023年2月21日 20時) (
レス) id: 9b03f4350a (このIDを非表示/違反報告)
あさひ(プロフ) - 岸くん推しさん» お返事遅くなってしまいすみません（ ; ; ）コメントありがとうございます！嬉しいです(^^)これからも楽しんでいただけますように(^^) (2023年2月12日 2時) (レス) id: b758be0db0 (このIDを非表示/違反報告)
岸くん推し - とても素敵な作品です！いつも楽しく見ています！ (2023年1月14日 14時) (レス) @page24 id: 9b03f4350a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あさひ | 作成日時：2022年1月17日 2時
