ロリ系彼女に甘えたい [ shp ] (ページ9)

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ななページ9

「ああ゛…かわいすぎんやろマジで」

先にAに入ってもらったお風呂で、口まで浸かってぶくぶくとなる。

別にやましい気持ちは無いが、断じて無いが、この湯船にさっきまでAが居たのかと思うとなんだか変な気分になる。

「心臓あと100個は居る…ゔぁあぁぁしぬ」

のぼせそうになって、お風呂から出る。

『んー！おかえり！』

「ただいま」

さっき渡したアイスをちろちろと舐める、彼シャツ状態のAが手を振ってくれた。

少し距離を置いてソファに一緒に座る。

そしたら隣にキュッと座ってきた。天使かよ。知ってたけど。

Aが小さいお陰で半袖が七分袖くらいになってる服。もうその服着れない、洗えない。

目の前には絶好の甘えたチャンスがあるのに、どうも恥ずかしくて付いていたテレビに目を向けた。

流れていたのは音楽番組で、次のアーティストの紹介がされている。

そのテレビに映るその顔に、どこか見覚えがあった。

「Aの好きなアーティストやん」

『そーなの！この番組初出演でね、漸く有名になってきてて…すっごい嬉しいんだ！』

其の後も、新曲の話を語りだすA。

「はえー…」

こんな気怠そうな返事をしているが、Aの言葉は一言一句だって逃してなどいない。

彼女が自分の推しを語る姿はとっても愛らしい。

でも

それでも

君の“好き”が他の奴らに向いているのが、ただどうしようもなく悲しいんだ。

(嫉妬…なんやろな)

そのキラキラとした目に、また俺を映してほしいのに。

馬鹿な俺はこの手で小さい身体を包み込むこともできない。

「ごめんな」

『…ん、？なんか言ったしょっぴくん』

「なんでもないで、ほら、もうそろ歌い始めんとちゃう？」

ささやかな本音は、彼女に伝えたいこの気持ちは、夜の底に消えていった。