ご ページ7
「い、いただきます」
『召しあがれっ！』
用意したスプーンで黄金色のオムライスをすくう。
向かい側の席でAが見ていることもあってか、少し手が震えている。
目をつむってぱくっと食べる。
「んま、！」
『！、やった〜、嬉しいな！』
美味しすぎて思わずオムライスにがっついてしまった。
けふっとなりながら「ごちそうさま」と言うと
『しょっぴくんって、めちゃくちゃ美味しそうに食べるね！』
「え、そう？」
『うん！なんかこっちも嬉しくなっちゃうくらい！』
にこにこと、少しケチャップを付けた口で笑うA。
熱くなった頬を冷やすように手で顔を隠す。
『どしたの…？も、もしかしてホントは不味かったとか！？』
「や、ちゃう…」
あわあわとしているAを安心させれるように…と願って笑いかけてみる。
表情筋が固すぎたせいでぎこちなくなっているんだろうな、と考えながらまた顔をそらす。
『いまの顔もっかい！！！』
「…？」
『今の笑った顔！見たい！』
机から身を乗り出して、俺の顔にあった手を取ってキャッキャと言うA。
『カッコよかった、めちゃくちゃ！』
余りの勢いに、置いてけぼりになった俺を更に置いていく。
『い、いつもカッコいいけどね、けどさっきの笑った顔はもっとカッコよかった！』
赤くなった頬で、可愛さは勿論の事だがどこか大人っぽさも孕む笑みにキュンと胸を打たれたのは言うまでもない。
(俺の彼女さいきょーやんな…)
『あ！笑った！』
どうやら知らぬ間に笑っていたようだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 255人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヴォルペ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2023年12月29日 23時
