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14話 夏油傑side ページ15

何度か彼女のバイト先に足を運んだが、なかなか会えない。
もしや警戒されたか、と焦って彼女の周りをより深く調べれば、どうやら今は考査期間中らしい。
バイト三昧で苦学生の彼女も、考査期間中にシフトを入れることはしないようだ。

 「うわ、飯食いながら新聞読んでる。ジジ臭ぇ〜」
 「悟、うるさいよ」

左手で新聞を広げて味噌汁を啜る私を見て、部屋に入ってきた親友がウゲェと顔を歪める。
全く…ノックくらいしたらどうなんだ。

 「ウチの連中に新聞読む奴なんかいねェだろ。
いきなり新聞なんか取り始めて、どういう風の吹き回し?」

訝しげに此方を見やる親友__悟に、さぁね、と笑顔を返せば胡散臭いと笑われた。
…彼の言う通り、私達の部下の中で新聞を読む人は居ない。
故に今まで新聞を取ったことは無かった。
私も世間の情勢などどうでも良かったし、無能な政治家の与太話や、殺人事件の犯人の顔などは興味も無かった。
しかし__

 「あ、そういや、傑。
最近、JKに入れ込んでるってマジ?」
 「マジだけど」

一瞬の沈黙。

 「……ガチ?」
 「ガチだよ」
 「冗談とかじゃなく?」
 「冗談とかじゃなく」

鳩が豆鉄砲をくらったような顔をして押し黙った悟は、次の瞬間、ドアを突き破らんばかりの大声で笑い出した。

 「あはははは!!!おまえ、おまえっ、マジかよ…!!」

現在進行形で腹を抱えて爆笑している悟は、命知らずの下っ端が流した変な噂だと思っていたらしい。
失礼な。変な噂を流されるほど、私は部下達にナメられていない。

 「お前が気に入るってことはよっぽどの巨 乳美女?ワカパイみたいな。今度会わせろよ。」
 「そういうんじゃないから。」

興味津々に此方を覗く悟を右手で制し、会わせる訳がないだろうと首を横に振る。
私は彼女に肉欲を抱いている訳では無い。
というか、女子高校生に劣情を抱くわけがないだろう。私は節度ある大人だ。

 「ま、なんでもいいけど。……仕事に支障が出ないなら。」
 「もちろん。公私混同はしないよ。」

ひとしきり笑った後、悟は鋭い目で私を見つめた。
彼女に現を抜かして仕事を疎かにするような真似は絶対にしない。当たり前だ。
悟の視線に頷いてみせれば、悟は満足そうにニヤリと笑顔を浮かべた。

 「じゃ、早速仕事だ。
いつも通り、背中は任せる」
 「あぁ」

黒革の手袋を嵌めて、二人してうっそりと微笑む。
五条組 頭を務める五条悟
その右腕にして相棒の夏油傑



私達に敵は無し。

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- 更新止まっちゃってる感じですかね…待ってます(泣) (2021年3月29日 23時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - 続き楽しみです! (2021年3月10日 21時) (レス) id: f345edd9e1 (このIDを非表示/違反報告)
- この作品の夏油さんに沼りました!更新楽しみにしてます!!! (2021年2月27日 20時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 緑の白猫さん» コメントありがとうございます!頭が切れて策士で、人畜無害な笑顔で着々と夢主の外堀から埋めていく夏油傑大好きなんですよ〜!!!ぜひぜひ嵌ってください (2021年2月27日 16時) (レス) id: 3eead30ed0 (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - やっべぇこの作品の夏油さんに嵌まりそう。てか嵌まらせて下さい← (2021年2月27日 10時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年2月15日 22時

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