10話 ページ11
あれから一週間。
考査を終えた私は親友の野薔薇と一緒に原宿に来ていた。
｢アンタ、テストどうだったの?｣
｢今日は遊びに来たんだからテストの話は無し!!｣
指で大きくバツを作り野薔薇の言葉を遮った。
折角ストレス発散に来てるのに、テストなんてストレスの塊みたいな話はしたくない。
｢まずどこ行く?｣
｢あー……ス〇バで｣
｢りょ｣
野薔薇の提案により、私達は駅のすぐ近くにあるス〇バに向かった。
原宿に来る度に行くお店なので、店員さんとは既に顔馴染みだ。
｢新作のやつ2つとも美味しそう…どっちにしようかな｣
｢私はキャラメルマキアートにする。｣
メニュー看板を見ながら唸っている野薔薇を横目に、私はレジへと向かった。
アンタ、ホントそればっかりね…と呆れた声が聞こえた気がするけど、私は冒険しない主義なのだ。
｢アンタがトール頼むのって珍しいわね｣
｢うん、たまにはね｣
店を出て一番に野薔薇は私のボトルサイズを見てそう言った。
野薔薇の手には、ストロベリーフラペチーノ。新発売を謳う二つの商品のうち、練乳がかかっててアイスが乗ってない方のやつだ。
｢あ、私、靴見たい｣
｢靴…あぁ、××の?｣
｢そうそう。前に一緒に見たやつね｣
｢でもあれめちゃくちゃ高くなかった？アンタ、お金大丈夫なの？｣
脳裏に浮かぶのは、考査前に野薔薇と一緒に行ったウィンドーショッピングで見た可愛いヒール。
落ち着いた黒色だけど、レースがあしらわれてて、派手すぎず質素すぎないデザインだ。
有名なお店だからやっぱり値段は高くて、学生は手が出せないねーなんて二人して苦笑いした記憶がある。
しかし！
私の財布の中には例のブツがあるのだ…ふっふっふっ。
｢大丈夫。臨時収入が入ったから｣
野薔薇の言葉に、親指をサムズアップしてドヤ顔。
渾身のドヤ顔を前に、野薔薇は疑り深そうに私の顔を見た。
｢お金足りなくなっても払わないわよ｣
｢わかってるって！｣
私達は原宿ショッピングを満喫した。
途中、私の財布の中の大量の万札を見た野薔薇に、
仄暗いバイトに手を出し始めたのではないかと疑われるというハプニングはあったけど。
｢今日はありがとう！また行こうね…と｣
自室で1人、野薔薇にメッセージを送る。
すぐにOK！と書かれたうさぎのスタンプが返ってきた。可愛い。
部屋には大量の紙袋。
貰った８万５千円はほとんど使い切ってしまった。
はしゃぎすぎたなぁと独り言ちた。
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或 - 更新止まっちゃってる感じですかね…待ってます(泣) (2021年3月29日 23時) (
レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - 続き楽しみです！ (2021年3月10日 21時) (レス) id: f345edd9e1 (このIDを非表示/違反報告)
或 - この作品の夏油さんに沼りました！更新楽しみにしてます！！！ (2021年2月27日 20時) (レス) id: 62feb543dd (このIDを非表示/違反報告)
蛹(プロフ) - 緑の白猫さん» コメントありがとうございます！頭が切れて策士で、人畜無害な笑顔で着々と夢主の外堀から埋めていく夏油傑大好きなんですよ〜！！！ぜひぜひ嵌ってください (2021年2月27日 16時) (レス) id: 3eead30ed0 (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - やっべぇこの作品の夏油さんに嵌まりそう。てか嵌まらせて下さい← (2021年2月27日 10時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛹 | 作成日時：2021年2月15日 22時
