第62話 ページ26
──
治の言った通り、あれから数日もしない内に奴等は再び仕掛けて来た。
オレが知る限りでは初めて開かれた五大幹部会の中で、全戦力をもって相手を迎え撃つ旨が決定した矢先のことだった。
場所は美術館で、奇襲を受けたのは治の部下達。
懸命に応戦しているそうだが状況は芳しくないらしい。
現場からそう遠くない所に居たこともあり、オレの元にも応援要請が届いた。
「…………」
動かしていた足を止めて、乱れた呼吸を整えるついでに軽く周囲の様子を伺う。
ひどく静かだ。
なのに空気はピリピリと張り詰めてる。
もうじき何かが起こる。
そうオレに予感させるには充分過ぎた。
……急いだ方がよさそうだ。
緊迫感の発端、白亜の建造物。
その正面扉に背中を預けて、耳をすませる。
この静寂を破る何かが起こればすぐに突入出来るように。
呼吸すら躊躇いそうになるほど重い沈黙に耐えることしばし。
その時は唐突に訪れた。
響いたのは二発の銃声。
壊してしまうかも知れない。
なんて考えを頭の中から追い出して、オレは目一杯扉に力を掛けてこじ開ける。
「な──」
「おや、」
オレを迎えた人影はふたつ。
蹲った黒い背中と、紅い眼を持つ灰色の幽霊。
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fiest(フィエスト)(プロフ) - 雨宮さん» お返事遅れましてすみません。雨宮さん、コメントありがとうございます。まだまだ続きますので、もしよろしければ気長にお付き合いください。 (2022年12月25日 23時) (レス) id: ecf63f7120 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮 - 面白いです。これからも楽しみにしています。 (2022年11月15日 10時) (レス) @page41 id: 27a6582a0d (このIDを非表示/違反報告)
fiest(フィエスト)(プロフ) - ゆめのさん» ゆめのさん、コメントありがとうございます。大変な亀更新ですがちまちま作っていくつもりですので良ければお付き合いくださると嬉しいです。 (2020年4月25日 21時) (レス) id: 1f83ad1ac9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめの - コメント失礼します^o^凄く面白いです!更新頑張って下さい!応援しています! (2020年4月17日 19時) (レス) id: a922e9fda4 (このIDを非表示/違反報告)
fiest(フィエスト)(プロフ) - 怪盗MOON さん» MOONさん、再度感想を寄せてくださりありがとうございます。己の好みに従った結果こうなっちゃいました……wちまちま更新してますのでゆっくり待って頂ければ幸いです! (2020年1月6日 0時) (レス) id: 1f83ad1ac9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fiest(フィエスト) x他1人 | 作成日時:2018年6月5日 18時