宵闇の羽、羅刹の焔。【文スト】

第24話 ページ27

「待っていたよ、真理君」

声の主は首領だ。
首領は悪戯っぽく笑って、続ける。
「……それとも“宵闇”と呼んだ方が良いかな？」

その言葉でようやく、ほんの少しだが冷静になる。

とにかく、現状を把握しないといけない。
どうにかオレは口を開いた。

「首領…………この二人は……？」
「今回君に任せる仕事で君と一緒に動いてもらう事になった太宰君と中也君だ」

そう言って首領は微笑む。

……今回の呼び出しは新しい依頼の為だったのか。
首領直々の依頼は久し振りだ。

でも、合同任務なんて今まで一度も無かった。
今回の任務はそんなに難しい物なんだろうか。

首領が未だ無言のままの二人、太宰？と中也？に声を掛ける。
二人は首領の方を向く。

「紹介しよう、と言ってももう噂は耳にしているだろうけどね。彼女は宵羽真理君、“宵闇”だ」

！？

「ちょっ、首領！？」
思わず声が出てしまった。

いやいや待て待て。

「どうしたんだい？」
「そんなにあっさり名前明かしちゃって良いんですか！？
隠せって言ったのは首領ですよね！？」

それなのにこんな風にバラされたらせっかく決めたコードネームの意味が……！！

「良いのだよ。彼等は“双黒”……、いずれ幹部になる二人なのだから」

……なるほど……？
二人は次期幹部なのか。
現五大幹部もオレの正体(素顔と本名)を知ってる訳だし、それなら良……くはないな。

「それはそれでオレが困ります！！
そんな人達とオレなんかが合同任務だなんて─……」
「真理君」

言葉を続けようとするが、それを首領が遮る。
「君の力もこの二人に劣って等いないよ。……自信を持ち給え」

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