第13話 ページ16
結局、オレが二人を押し切る形でコードネームが決定した。
“宵闇”。
それがオレがこの先ポートマフィア内で名乗ることになる名前だ。
そして今、オレは紅葉姐さんに連れられて服を買いに来ている。
と言うのも、首領の部屋を出た後、
「次はそなたの服じゃな」
「そうだね。
……本当なら「このままで良い」って言うべきなんだろうけど、残念な事にオレ、この服好きじゃないんだ」
なんてやり取りがあったのだ。
オレが今着ているのはフリフリやスカートでこそないが、どれも一目見て女物と分かるデザインだ。
正直、好き好んで着たいとは思わない。
まあ、着替える服も無かったからそのままにしていた訳だが。
オレは服屋の中を物色する。
黒を基調としたジャケットやパーカー、Tシャツ等が置かれていて、中には龍や髑髏なんていかつい柄が入ったものもある。
……うん。良い。
こういう奴の方が好きだ。
「真理」
紅葉姐さんがこちらに歩いて来た。
その手には一枚の服。
「そなた、こういった服は好きかえ?」
そう言って黒いそれを見せてくれる。
それはパーカーだった。
オレが今着ているすっぽり被るタイプではなく、羽織るタイプの。
背中には髑髏が大きく描かれている。
おお……!!
姐さんへの返答の代わりにコクコクと頷く。
「ん?」
そこで一つの違和感に気が付いた。
「紅葉姐さん……何かこれ、袖が長い……?
これじゃあ手が…………」
疑問を口にするオレに、紅葉姐さんは笑って言った。
「いわゆる「萌え袖」とか言う奴じゃ。
そなたに似合うと思うてのう。
それに」
「それに……?」
言葉を切った後、姐さんは腕を少し挙げ、続ける。
「…………私と揃いであろ?」
75人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
fiest(フィエスト)(プロフ) - 怪盗MOONさん» コメントありがとうございます。不定期更新になっていますが頑張ります! (2019年12月29日 8時) (レス) id: 1f83ad1ac9 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗MOON - 怖い!姐さんが怖い!けど面白い!頑張ってください! (2019年12月28日 19時) (レス) id: a4bcfb41fb (このIDを非表示/違反報告)
fiest(フィエスト)(プロフ) - はらさん» ありがとうございます。外しておきました! (2018年4月23日 10時) (レス) id: c32790ae98 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外して下さいねー (2018年4月22日 22時) (レス) id: 3032af9fae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:fiest(フィエスト) x他1人 | 作成日時:2018年4月22日 21時