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楡井「あ、あの…！」
A「何？」
楡井「鞄、お持ちしましょうか？」
A「大丈夫だよ。物はそんなに入ってないから」
そう言うと楡井は「そうですか……」としょんぼりしてしまった。
さっきから私は、楡井君にずっと話掛けられている。それも、なぜか興奮気味に。
あんまり話すのは苦手なんだよなあ。でも、そんなことで返事をしないのは人として、どうかと思うし……。
そういえば、一緒にいた桜君？だっけ。さっきから、顔赤くして何もしゃべらないけど、大丈夫かな？
A「桜君？さっきから、全然しゃべらないけど、大丈夫？」
桜「…………」
何も言おうとしない彼を見て、少し悪戯心が芽生えた。
A「桜君〜。何も言わないんだったら、無理やりなんか言わせるぞ〜」
桜「ちょ、やめｗｗｗ息ｗｗ出来ねえからｗｗｗｗｗｗ」
思いっきり脇腹をくすぐると、笑ってくれた。案外効くんだな、この人…。
ゼーハーと、呼吸をした後、
桜「お前なあ！急に男の体をくすぐるんじゃねえよ！！女だろ？！少しは恥じらいくらい、見せるもんじゃねーのかよッ！！」
と、早口で私に言ってきた。
A「え、なに。私が顔赤くしながら、くすぐる姿が見たいの？会ってすぐなのに、可愛いなあ、桜君は❤」
桜君は顔をさらに赤くして「可愛くねえ！！！」と叫んだ。ホント可愛いな〜。
十分後
私達三人は、風鈴高校に到着し、教室に入った。二人が入ったので、その後を追うように中に入ると、急にざわつき始めた。え、なんかおかしなものでも付いてる？そう思い、自分の服装を見たときだった。
杏西「お前、もしかして女？」
A「うん。そうだよ」
そう言うと、クラスのほとんどが私に寄ってきた。「名前は？」「出身中学どこ？」など、質問責めに遭い、返事ができずにいたとき、
蘇枋「こらこら、そんなに詰め寄ったら、彼女、怖がってしまうよ」
眼帯をつけた男子がこちらに寄ってきた。
蘇枋「はじめまして。俺は蘇枋隼人。ここのクラスの副級長をやっているよ。あなたの名前は？」
A「私は赤井A。よろしく」
そういうと、
杏西・柿内・高梨・栗田「赤井A？！！」
と、4人が声をそろえて言った。やっぱり、私、有名になってたみたい。
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作者名：氷室玲奈 | 作成日時：2023年11月2日 23時
