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桜side
いつものように楡井と一緒に学校へ向かおうとすると、ガラの悪い奴らに囲まれた。
モブ１「オイ、テメー。風鈴の奴だな。ウチの組に何してくれちゃってんの？」
その男の横を見ると、昨日俺がぶん殴った奴が立っていた。
こんな雑魚共、相手にしたくねぇ。何しろ俺は弱い奴は嫌いなんだ。そして、弱いくせに強いと勘違いしているやつを見てると反吐が出る。
立ち去ろうと歩き出すと、今度は男が街の人を人質にとった。
モブ１「お前らフウリンは、街の奴、人質にとったら動けないんだったよなァ」
モブ２「ハハハハッ！本当に動けないなんてダセェwwww」
クソッ！人質とられたら、動こうにも動けねェ…！
楡井「どどど、どうしましょう！？桜さん！何とかあの人を…！」
『ああ、分かってる…』
どうしようかと思考を巡らせているとき、俺の背後から「何何？喧嘩？」と声が聞こえた。やけに澄んだ声だった。後ろを振り返ると、一人の女性が近づいてきた。紫色の長い髪。首筋に蝶と青薔薇のタトゥー。右耳に小さな丸いピアスをつけた人だった。驚くのは彼女の服装だ。
風鈴高校の制服に身を包んでいる。
彼女も風鈴生なのだろうか。でも、風鈴高校は一応男子高校だし、何かの間違いか。
『オイ、おま「ねえ、君」…』
彼女はまっすぐ男の方に歩き出した。なにをする気なのだろう。
？「その人、君たちが人質にとってる人？」
モブ１「ああ、そうだ。てか、アンタ、この状況が分かってんのか？」
？「うん。それよりも、その人を開放させてあげて」
なにを言い出すかと思えば…
モブ１「返すわけねーだろ、バーカ」
なんとその男は、彼女に向って殴ろうとしてきたのだ。
ヤベェ…！
そう思った瞬間、「はあ…。毎度毎度、男ってのは、聞き分けの悪い人ばっかりだねェ…」と彼女が言い、男の拳を避け、強烈な飛び蹴りを放ったのである！
男はもろに蹴りを受け、その場に倒れた。
彼女はふわりと地面に着地すると、「あの…怪我はないですか？」と人質になった人に聞いていた。人質だった人はお礼を言い、去っていった。
楡井「アッ…。アッ…」
どうやら楡井はフリーズしてしまったみたいだ。起こそうと近寄ろうとした時、
楡井「あ、あなたは、あの有名な赤井Aさんですか！？」
と、興奮気味に彼女に話しかけた。
A「うん。そうだよ」
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作者名：氷室玲奈 | 作成日時：2023年11月2日 23時
