主役でもヒロインでも悪役でもない、なんとも微妙な位置の転生をしました (ページ2)

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プロローグ2 ページ2

ーー中谷Aとは。
　
　乙女ゲーム「恋の主役は我々だ〜イケメンとのドキドキ学園ライフ〜」のヒロインである一ノ瀬ミカの親友である。
　話しかけたら攻略対象者の好感度等を教えてくれるお助けキャラ。
　極度のお人好しで、ヒロインが呼び出しを喰らったら絶対についていく程。

『(100%面倒くさいんだよなぁ)』

　なんだよ、極度のお人好しって。
　私とは真逆じゃねえか。
　心の中で悪態をつきながら、桜でいっぱいの校門をくぐる。
　看板には【私立我々高等学校】と書かれてある。この学校こそが、言わずともがなゲームの舞台である。

「あれ、Aやん！」
『コネシマ…』

　下駄箱に靴を入れていたら、クラスメイトであるコネシマが駆け足が気味でこちらに向かってきた。

kn「元気なさそうやなぁ！なんか悪いことでもあったんか？」

　キラキラと光が反射して光ってる金髪に、健康的に焼けた小麦色の肌をしているのが特徴的。
　絵に描いたようなイケメン顔をしてるコネシマは、ゲームの攻略対象者の一人である。

『否。朝からお前に遭って不運だな、って思ったんだよ』
kn「どういうことやそれ！！！俺に会ったんが原因であんな不機嫌そうな顔してたんか！？相当失礼やぞお前！！」
『そういえば今日って転校生が来る日だったっけ？』
kn「話そらしてんじゃねぇよお前！」

　突っ込みを欠かさないのは流石関西人だと言ったところか。
　いやまぁ私も関西人なんで、ボケたら突っ込んでくれるのは非常に有難いことなのだが、

『(朝からうるさい……)』

　喉に拡声器つけてるんじゃねえか、って程大きな声を出してくるのが玉に瑕。

kn「…んで転校生やっけ？昨日先生が帰りのホームルームで言っとった気ぃするわ。「明日転校生くるぞ〜」って」
『やっぱそうだよねぇ…』

　転校生とは、本ゲームのヒロインである一ノ瀬ミカのことだ。
　一ノ瀬ミカが転校するのがゲームのプロローグなので、今日から原作が開始されるのだろう。

kn「そういえばお前今日の課題やった？英語のやつ。
俺まだ出来てへんから写させてくれへん？」
『ジュース一本で手を打とうか』
kn「あざーーーーす！」

　「恋愛」の「れ」の字も知らなさそうなコネシマでも、そのうち私に「好きな人ができた」ってな感じで恋愛相談をされる日が来ると思うとーーーー

『感慨深いな…』
kn「ん？どうした？」
『別になんもないよ。それよりはよ自販機行こ。葡萄ジュース飲みたい』
kn「OK、D！」
『私大先生ちゃうから、その返しされても困るだけなんだよね………』