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└【関係】 ページ15

◇多次 有楽

 母の弟さん。つまりは叔父。
 有楽の職業上、実際に会ったことがあるのは指で数えられる程度であり、会話を交わしたことも少ない。だが有楽から不定期に届く写真付きの手紙は、幼い瑠璃にとって楽しみの一つだった。彼の冒険談もまた、瑠璃にとって「物語」だったのである。
 そのため親戚のなかではなついていたほうでおり、それは成長した今も変わらない。とはいえ、大戦争後に初めて会ったのが図書館協会の施設内だったため、かなり驚いたのは事実。
 しかし。話すたびに、ずっと前を向き進む有楽の背中が、隣に居るはずなのに異常なほど遠く感じている。昔は感じなかった感覚に、自分は変わってしまったのだとひどく自己嫌悪。これを有楽に気付かれてはよくないと、申し訳ないと思いながらも最近は避けるようにしている。だがそれも違う気がして、脳内が軽くパニック状態になってしまっている。

呼び方:おじさん、有楽おじさん
呼ばれ方:瑠璃ちゃん

「有楽おじさん…!?あっ、えと、……お久しぶりです、おじさん。ごめん、びっくりしちゃった。おじさんが組織に入ってるなんて思わなくて」

「相変わらず凄いね、おじさんは。また、今度でいいから、写真見せてほしいな。旅のお話も一緒に」

「あ。……ご、ごめんなさい、この後、用事があって。…っ、ごめんなさい!」

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作者名:風雪妃月 | 作成日時:2022年1月2日 2時

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