2話 ページ2
あなたside
お兄ちゃんと私の、二人分の晩御飯を作っていると、お兄ちゃんは覗いてくる。
マサイ｢また料理上手くなった？｣
｢…最近は特に、居ないの｣
誰が居ないかなんて、言わなくても伝わっていたみたい。
私が呟くと、お兄ちゃんは少し不服そうに私を見た。
そして優しく頭を撫でた。
マサイ｢そっか｣
｢うん｣
＿＿＿＿マサイ｢…寂しくなった？｣
素直に頷けない。
…本当はそんなに寂しくなかったから。
私のお母さんが、少し普通のお母さんとは違うこと。
昔よりも家に居る時間が段々と減っていること。
そんなお母さんが、私は全然好きじゃないこと＿＿＿＿。
お兄ちゃんは全部知ってるから、時々こうやって嫌味っぽく言ってしまう。
でも、今私が幸せに暮らしてられるのは、お兄ちゃんがいるから。
．
．
＿＿＿＿マサイ｢春から一人暮らしするんだっけ？｣
気分を変えようと、明るく振る舞うお兄ちゃん。
無口なお兄ちゃんなりに頑張ってるのがすごく良くわかった。
…好き。
｢そう。20歳になったしね｣
マサイ｢そっか｣
｢うん｣
マサイ｢物件見た？｣
｢見たけどいい所が見当たらなくて｣
できた料理を机に並べて、お兄ちゃんの前に座ると、お兄ちゃんは頬杖を付いてた。
自分のことのように、真剣に考えてくれてる。
ハーフの少し濃い顔立ち、大きな目、高い鼻、きゅっと結ばれた唇。
…カッコイイ。
そりゃ、中身が好きで恋してるんだけど、よくよく見たら、顔もイケメンだなぁって。
ああ、キュンキュンしてきた…
そう思いながらぼーっと見つめてたら、ふいにお兄ちゃんと目が合って、ドキッ！とした。
．
.
＿＿＿＿マサイ｢来る？俺ん家｣
．
．
｢…お兄ちゃん？｣
マサイ｢俺の家、おいでよ。生活費ぐらいなら払えるし｣
頬杖をついて、優しく笑ったお兄ちゃん。
ドクドクドクドクと胸の鼓動は早まって、体温が上がっていく。
…お兄ちゃんと一緒に暮らすなんて。
考えただけで、心臓がはち切れそうなのに。
｢…でも｣
マサイ｢遠慮しなくていい｣
珍しく話を遮られて、少し驚いて俯いていた顔を上げると、
ふわっと、お兄ちゃんの大きな片手で、顔を包み込まれた。
．
＿＿＿＿マサイ｢こんな家、早く出た方がいい。｣
真剣な目が、声が、全部が。
優しさが。
．
．
＿＿＿＿｢ありがとう、お兄ちゃん｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 388人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し56489号(プロフ) - いつ更新するのか…好きすぎてほんとやばい (2018年9月6日 13時) (
レス) id: b44e30921c (このIDを非表示/違反報告)
ウホホッ///// - 遅いよおおおおおおおおお (2018年3月31日 20時) (レス) id: 143626bbf8 (このIDを非表示/違反報告)
ウホホッ///// - 更新遅くない？大丈夫？ (2018年3月30日 7時) (レス) id: 143626bbf8 (このIDを非表示/違反報告)
ウホホッ///// - いつ更新するんや…好きすぎてヤババ (2018年3月28日 10時) (レス) id: 143626bbf8 (このIDを非表示/違反報告)
なたで胡子 - ｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞ好きだ〜〜〜！！！！！gray22さんのほんと好きだ〜〜！！ (2017年4月3日 0時) (レス) id: 6e823ee613 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：gray22
| 作成日時：2017年3月24日 15時
