1話 ページ1
あなたside
＿＿＿＿焦れったい。
春の気温って、本当に焦れったい。
ムシャクシャして、気持ち悪くて、花粉も飛んでるし。
二年近く伸ばしていたのに、先週短く切ったその髪の毛は、肩にすれてくすぐったくて。
余計にイライラした。
…イライラするから、春は全然好きじゃない。
むしろ、嫌い。
＿＿＿＿でも、そんな春も、お兄ちゃんが来て
『春って好き』
って言ったら
『私も好き』
って答えちゃうんだろうな。
．
．
＿＿＿＿｢お兄ちゃん、ここで寝ないで｣
私のベッドで、ゴローンって寝て｢やっぱ落ち着く｣なんて実家でもないのに言って、
私がお兄ちゃんと慕うその人は、
皆からはマサイって呼ばれてる。
私の二つ上で、小さい頃に隣の家に住んでいて、生まれた時から一緒にいた。
最近は、お兄ちゃんが一人暮らしを始めてなかなか会えなくなっちゃったけど、たまにこうやって今みたいに会いに来てくれる。
それで、一緒に何する訳でもなくゴロゴロして、ご飯食べて。ってのんびりした時間を送る。
…だから、血が繋がっていないけど、家族のようなもの。
．
．
．
って思ってるのは
正直お兄ちゃんだけだと思う。
だって私は、お兄ちゃんが好きだから。
＿＿＿＿1人の男の人として見てるから。
.
.
そんな私の気も知らず、私のベッドで寝返りを打って、気持ちよさそうに寝るお兄ちゃん。
普段はクールで無口なのに、時々見せるこういう子供なところ。
私だけが知ってる姿。
マサイ｢もう少し寝てたいんだけど。Aの布団落ち着く｣
駄々をこねるお兄ちゃん。
多分、こんな姿私しか見れないよね。
そう思ったら、また段々と好きになっちゃって。
少し目を開けて、ふふふって妙に機嫌が良さそうに笑ったら、もう私の心はどれだけ締め付けられるか。
少し目が合って、
マサイ｢髪、切ったんだ｣
やっと、私の変化にやっと気づいてくれた。
｢…今更｣
＿＿＿＿マサイ｢…可愛いね｣
｢えっ？｣
ふいにドキッとして、横目にお兄ちゃんを見ると、半分寝ている状態。
きっと特に意味の無い｢可愛い｣だったんだね。
…そんな軽々しく言わないでよ。
｢…そんなの、知ってるもん｣
マサイ｢照れてない？笑｣
｢…｣
マサイ｢図星。笑｣
＿＿＿＿こんなお兄ちゃんが、私は今日も大好きで、大好きで
堪らないんです。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 388人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し56489号(プロフ) - いつ更新するのか…好きすぎてほんとやばい (2018年9月6日 13時) (
レス) id: b44e30921c (このIDを非表示/違反報告)
ウホホッ///// - 遅いよおおおおおおおおお (2018年3月31日 20時) (レス) id: 143626bbf8 (このIDを非表示/違反報告)
ウホホッ///// - 更新遅くない？大丈夫？ (2018年3月30日 7時) (レス) id: 143626bbf8 (このIDを非表示/違反報告)
ウホホッ///// - いつ更新するんや…好きすぎてヤババ (2018年3月28日 10時) (レス) id: 143626bbf8 (このIDを非表示/違反報告)
なたで胡子 - ｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞｧﾞ好きだ〜〜〜！！！！！gray22さんのほんと好きだ〜〜！！ (2017年4月3日 0時) (レス) id: 6e823ee613 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：gray22
| 作成日時：2017年3月24日 15時
