今日:16 hit、昨日:6 hit、合計:106,058 hit
小｜中｜大
［ 6話 ］ ページ8
.
好きでもその気持ちは届かなくて、勝手に悩んで勝手に苦しんでた私がアホらしく思えた。
泣きたくないと思うのに、その気持ちとは裏腹に涙は溢れてきて、慌てて下を向く。
だけど、しげにはバレてたみたい。
「…え、は？ちょ、おまっ、泣くなよ！」
カシャンとブランコが音を立てて、下しか見れない私の視界に焦った表情のしげが入り込む。
顔を背けても、間に合わなかった。
「なんで泣くねん」
「うっさい」
「ごめんて、お前の気持ち知りたかっただけやねん」
「…なにそれ」
「俺さぁ…自信なくて。直接聞かれへんかってん」
ただでさえ感情がゴチャゴチャなのに、しげのその言葉は余計理解ができない。
「…意味わからん」
「俺お前のこと好きやねん」
「……、はぁ？」
「はぁ？って、今告白してんけど」
思わずしげの顔を見た。
少し照れてて、少し気まずそうだった。
立ち上がって、私に 返事は？ と聞いた。
その言葉に、私も と答えた。
「え、まじで？」
目を大きくして驚く彼は、私の好きな人で…
私の顔を見て、泣き顔ブサイクやなぁ と笑う彼は、私の何…？
「…私たち付き合うん？」
「え、付き合わんの？」
「だって、しげ…そのうちデビューもするんやろ？」
「せやで。俺が好きになったやつなぁ、ほんまに信頼できるやつやねん」
そして私たちは付き合うことになった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 469人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はしご | 作成日時：2020年8月31日 0時
