24話 ページ32
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今一番気になること。
「…あの回答は何?あと写真」
「あー、あれな。別に意味はないで」
「なにそれ、ほとんど私との……あ、まさか同じことを次の彼女と」
「してへんわ!お前ほんま酔いすぎちゃうか?」
もうやめとけ とビールを奪われる。
…してないんだって。
私以外の人と、そういうこと。
やっぱり私とのことだったんだ。
と内心喜びながら、奪われてしまったからもう一度ビールを頼もうとタッチパネルに手を伸ばす。
「おい!!ちょっとは大人の女になったと思っとったけど全く変わってへんかったわ」
「そうだよ、変わってないよ私は。でも、しげも変わってない。意味わかんないことする所とか、」
「大毅でええやん」
「…『ラストオーダーのお時間です』
「あ、ラストやって。これ飲んだら出るで」
タッチパネルから発せられたラストオーダーを告げる声…タイミング悪すぎ。
結局まだ何も聞けてないままだし。
というか、何も答えになってないし、なにが そのつもり だよ。
器用にタッチパネルを操作してお会計まで進めるけど、明らかに全額出してくれようとしている。
「待って、私も半分出すから」
「ええって」
「いや、私の方が飲んでる」
「ええから。次奢ってや」
次もあるんだ。
その言葉に頬が緩みそうになり、口元を拭く素振りをしてお絞りで隠す。
「…ごちそうさま」
「ん」
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作者名:はしご | 作成日時:2020年8月31日 0時