あの頃、午前2時。《赤》 (ページ27)

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19話ページ27

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神山「その時は、俺がやるべきことが分かって、やっと形になってきたって思ってたから悔しくて」

「…すみません、もしよかったら詳しく教えていただいてもいいですか？」

ある程度は調べたつもりだった。

でも彼らのデビューに裏があったなんて思いもしなかった。

勉強不足で申し訳なくなるが、神山さんは笑顔で言葉を続けてくれる。

神山「2014年のカウントダウンコンサートで、しげ、淳太、照史、のんちゃんの4人だけデビューが決定したんですよ。7人でデビューできるって聞いてたから、余計わけ分からんくなって、もう全部どうでもよくなったんですよね」

2014年の、カウントダウンコンサート…私がふられた年。

あの時、そんなことがあったなんて知らなかったし、全く予想もしなかった。

変な汗が滲む感じがした。

「どうでもよくなったって、」

神山「もう事務所辞めようと思ってましたね」

「辞めなかった理由、聞いてもいいですか…？」

神山さんはまた優しく答えてくれた。

神山「しげが、7人やないとあかんお前が必要やって、引き止めてくれたんです。それと同時に、一番動いてくれたんです」

「動いたって言うのは、」

神山「色んな人に頭下げてくれて、俺にも辞めんなって言い続けてくれたんです。大人に色々言われても、それでも諦めずに頭下げ続けてくれたんです」

とても簡単に想像がついた。

仕事に一生懸命で、仲間思いで、本当に熱い人だから。

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