、じゃない。《桃》 (ページ50)

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ベッドに潜り込んでも、もちろん眠れるわけはない

望の香りに包まれて、逆に考えてしまう

これからどうしよう

とりあえず、私は自分の家で生活して…

ーコンコン

「起きてる？」

「…寝てる」

「よかった」

…なにが

「A、急にごめんな。返事すぐやなくてええから、ゆっくり考えて欲しい」

そんなこと言われても、なんて返せばいいの

まだ混乱してるんだけど…

「…Aやから好きになったんやで！おやすみ！」

きっと顔真っ赤にしてるんだろうな

…それなのに、望の気持ち否定するようなこと言っちゃった

と今さら申し訳なさが込み上げてくる

急にダダダダと足音が聞こえたと思ったら、

「あとな、気まずいから自分家帰るとかやめてや？そんなことしたら俺がAん家行くからな。おやすみ！！」

と言い去った

ドア越しでも望の姿が想像できて、少し笑ってしまう

あんなにキラキラしてかっこいい人が私を…

と、正直嬉しい気持ちが強かった

でも、だからなに？

どうしたいの？

と、そこから先を考えることが少し怖かった

そして案の定、あまり眠れなかった

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