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「望、もう着くから起きて」



浅く腰かけて首を下げて眠る望にそう声をかけると、ゆっくりと目を開いてまた閉じようとする







「望、置いてくよ」



と言うと、今度こそ目をちゃんと開けた






「ありがとうございました」



タクシーを降りると望もゆっくりと降りてくる

周りを気にしながら望を支えてなんとかエントランスまで歩く





聴きたいことは色々あるけど、今にも眠ってしまいそうな望には聞けそうにない

それに、私がちゃんと説明したから大丈夫だと思うし…今回は見逃してあげようかな







*







部屋に入ると、すぐソファにダイブした望

お風呂はきっと明日入るんだろうからそのままにしておこう



とりあえずキャップと上着だけなんとか脱がせて、毛布をかけておいた







私の酔いはとっくに覚めていて、記憶ははっきりしている

そのせいで、さっきのみなさんの言葉が頭の中でぐるぐるとリピートしていた



気になって仕方がないけど、もうみなさんに会う機会はないと思うし、望に言葉のわけを聞くのは違う気がしていた





そんなことを考えながら望のベッドを借りて眠りについた






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作者名:はしご | 作成日時:2020年7月6日 19時

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