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「もう準備できたの?」

「今日も打ち合わせやから大した準備いらんねん」

「最近打ち合わせ大変だね」

「ライブ近いからな」

「あ、そっか。色んな都市回るんだよね」







その間、私は自分の家に帰ってもいいよね

ずっと空けておくのもさすがに心配だし







「明日からは撮影もレッスンもあるから帰り遅なる」

「かなりハードそうだね…体調には気を付けてね」

「疲れて帰ったらAに癒してもらうから大丈夫」

「なにそれ聞いてない」



望は小さく笑ってから



「Aは居ってくれるだけでええねん」



と言って私の頭にポンと大きな手を置いた







急な行動に驚いて、ドキッとした







「ちょっと、私歳上なんだけど」

「背が丁度ええねん笑」

「理由になってない」

「ほな、いってきまーす!」



望は逃げるように玄関を出ていった







いつまでも弟みたいな存在だと思っていた望が、最近男の人に見えてしまうことがある

今だって、ドキッとしてしまった自分を認めたくないというか、なんというか…複雑な気持ち







「A、」

「うわっ!びっくりした…」







仕事に向かったはずの望が玄関から顔を覗かせていた

丁度望のこと考えてたから…大きい声出しちゃった…







「いってらっしゃい言うてもろてなかった」

「あ、い、いってらっしゃい」

「うん」



…満面の笑みで今度こそ仕事に向かった







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作者名:はしご | 作成日時:2020年7月6日 19時

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