、じゃない。 《 桃 》

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小瀧side








珍しくアラームが鳴る前に目が覚めた


多分Aもまだ寝てるやろな





寝室から顔を覗かせると、背を向けて眠るAの小さい背中が見えた

なんとなく、嬉しいようなくすぐったい気持ちになった

やばい、にやけてまう…





とりあえずAを起こさんようにリビングを通り過ぎて、洗面所で顔を洗う



サッパリしてからリビングに戻ると、タイミングよくAのアラームが鳴り響いた


…びっくりした



アラームを止めてからムクっと起き上がったAとバッチリ目が合った

Aはめちゃくちゃ驚いたみたいで、声が出てなかった







「ごめんな、驚かして」

「…不審者かと思った…」

「俺でした」

「よかった望で。おはよう、早いね」

「おはよ。目ぇ覚めてん」

「朝ご飯準備するね」

「ありがとう」







Aって、寝起きめっちゃいいねんな

初めてやねんAが目覚める瞬間を見るの


俺がこんなに早く目覚めるとかそうそうないから、今この瞬間めっちゃレアやで



これから今まで以上にAに会えるだけじゃなくて、手料理も食べれるし、いっぱい話もできる

風呂上りもスッピンも寝起きも全部見れんの、俺だけの特権やな


…幸せすぎて怖なるわ







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