、じゃない。《桃》 (ページ4)

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目が覚めると、目の前には望の顔があってちょっと驚いたけどそれより、首が痛い

「もう帰るん？泊まってけばええのに」

「泊らないよ笑」

こんなこと言ってくることはたまにあるけど、もちろん泊まったことはない

私の家はここから車で10分ないくらいで、遠いわけじゃないけどさすがに私も大人ですから、ちゃんと線を引いてるつもり

「次はよ来て」

「考えとく」

「汚すからな」

「だからそれはやめて笑」

それなりに広さのあるこの家を片付けるの結構大変だから

「ストックはよなくすから」

「ちゃんと考えて食べて」

「鬼電すんで」

「それはほんとやめて」

んははっと機嫌よく笑ってますけど、ほんとあれしつこいから

私は上京して標準語が当たり前になったけど、望は変わらず関西弁だから一緒にいすぎると私も関西弁戻ってきそうになっちゃう

それは仕事で困るのでね

ジャケットと鞄を持って玄関まで歩くと、望が後ろを付いてくる…可愛い

昔からヒヨコみたいに付いてくるんだよね

今じゃ大型犬だけど笑

「じゃあね」

「おん、ありがとう」

望が玄関先で笑顔で見送ってくれるこの光景はもう恒例化してる

さて、帰ってお風呂入って本格的に寝よう

キーケースに望の家の鍵があるのも異様だよなぁ、と思いながら車の鍵を探し出す

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