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覚えていて・時透無一郎 ページ10

初めて私の想いを伝えた時
すぐに忘れるからと言われた。


「忘れてないじゃん」


「Aの事は忘れられなかったみたい」


だから私はこの想いを伝えないと決めたのに時透無一郎は私の事をしっかり覚えていて


「大声で叫んでたね」


私の大胆な町中での告白。

団子屋の娘の私。
夜に鬼に襲われて無一郎くんに助けてもらったお礼に団子をご馳走したんだけど…下心ありつつね?


「うう…それは忘れてよ」


「初対面であんな事言うのAくらいだよ」


そう。初対面、彼が帰ろうとした時、結婚を前提にお付き合いしてくださいと叫んだ私。


「だって、運命だと思ったの」


「でも僕忘れっぽいから忘れると思ってた」


無一郎くんは忘れっぽいらしく人の名前も何もかも覚えるのが苦手らしい。


「それにしてはよく来るね」


「団子美味しいから」


「団子じゃなくて私に会いに来てよね」


何を言ってもしても笑わない無一郎くんは私が団子を持って行くときだけ幸せそうにするの。

そんなに団子が好きなんだ…


「お嬢ちゃん!こっちにも団子!」


「あ、はーい!」


今日は人が多いなあ。
頑張って働かなきゃ!


「じゃ、ゆっくりしていってね」


鬼狩りってきっと私の想像以上に大変だからせめてここではゆっくりとしてほしい。

無言で首を縦にふった無一郎くんに微笑んで私はまた接客に戻った。











「はあ、つかれた」


日が暮れ店を閉める時が私の休憩時間。
無一郎くんいつの間にか帰ってたなあ…


「おつかれ」


「!?…無一郎くん」


帰ったと思ったのに外に出たらいた。


「どうしたの?団子食べたりない?」


「そんなに食いしん坊じゃないよ」


じゃあなんだろう。
と私が首を傾げていると


「Aに伝えたい事があるんだ」


「なあに?」


じっと私の目を見た無一郎くんは少し微笑んだ。
初めて見る、笑顔。


「次、また僕が覚えてたら…」


そう言いながら私との距離を短くする。


「僕がAを幸せにしてもいい?」


「…それって…ん」


私が言い終わる前に唇を唇で塞がれた。


「こうゆうこと」


「…っうん」


きっとあなたは忘れない。
そう自信があるよ。







end.

好きな理由・冨岡義勇→←先生・煉獄杏寿郎



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美桜 - 話好きです。続けて下さい。更新頑張って下さい。 (2019年3月2日 20時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
ファルル(プロフ) - 竈門炭治郎ですよ!門が抜けています (2018年8月8日 0時) (レス) id: 75508b9973 (このIDを非表示/違反報告)
たごちゃん(プロフ) - 涙が止まらないです。切なくて。すごく心動かされました。ありがとうございます。 (2018年7月7日 0時) (レス) id: dffad2ad26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:enen♪ | 作成日時:2017年7月20日 17時

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