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聴こえてる・我妻善逸 ページ13

「善逸」


大きな戦いを終えた後、意識を無くして蝶屋敷へ運ばれてきた。

私の大事な人。好きな人。


「今日はね…」


まだ目覚めないの?
毎日、毎日、こうして話しかけてる。

アオイみたいに上手く看病できないけど私は善逸のために頑張ってるんだよ。


「…好きだよ」


他の誰よりも一番。







「今日はね、禰豆子ちゃんと遊んだよ」


善逸の大好きな禰豆子ちゃん。
私なんかよりずっと美人で可愛くて…


「善逸は禰豆子ちゃんが好きなの?」


それは私じゃだめ?


「私は、善逸が好き」


こんな時に言うなんて卑怯だよね。
わかってる、分かってるよ。

だけど、今は許して。







「しのぶ様に怒られちゃった」


毎日、毎日。
何があったか善逸に話すこの時間。

辛くて幸せで。


「善逸」


私は馬鹿で卑怯で弱虫だから
眠る善逸の唇にそっと自分の唇を落とした。


「好き、大好き」


切ないくらいに。
苦しいくらいに。


「…目を開けて」


もう何日もあなたの声を聞いてない。
その場にしゃがみ込んでぎゅっと善逸の手を握った。


「A…」


「え?」


びっくりして立ち上がると目を覚ました善逸が私を見つめてた。


「ぜ、んいつ」


「あ、泣くなよ」


ぽろぽろ流れる私の涙を優しく拭ってくれる。


「よがっだぁ」


生きててくれてた。
善逸が、戻ってきてくれた。


「…本当?」


「え?」


少し微笑ん…いや、にやにやしながら
そう聞いてきた善逸。


「俺のこと、好きなんでしょ?」


そう言った善逸は笑った。


「…起きてたの」


寝たふりしてたなんて…
すごく酷い。


「ああ!違うから!怒んないで!」


「じゃ、どうして…」


起き上がろうとする善逸の肩に手を置いて止めた。
正直、恥ずかしくて顔から火が出そう。


「俺、耳良いから」


そう言うと眩しい笑顔を見せた善逸に
心臓が高鳴った。


「〜〜っばか」


「そんな俺が好きなくせに」


善逸にはなんでも聴こえてる。
もう、勝てないや。


「好きだよ善逸」


そう言って軽くキスをした。


「〜〜っ…俺も好き」






end.

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美桜 - 話好きです。続けて下さい。更新頑張って下さい。 (2019年3月2日 20時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
ファルル(プロフ) - 竈門炭治郎ですよ!門が抜けています (2018年8月8日 0時) (レス) id: 75508b9973 (このIDを非表示/違反報告)
たごちゃん(プロフ) - 涙が止まらないです。切なくて。すごく心動かされました。ありがとうございます。 (2018年7月7日 0時) (レス) id: dffad2ad26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:enen♪ | 作成日時:2017年7月20日 17時

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