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生きてね・嘴平伊之助 ページ15

「…ックソが!!」


「伊之助!まって!」


森を歩いてると私たちの目の前に現れた大きな鬼。
大人の男の人2人分は上背がある。


「ガァァァ!!しねェ!!」


大きな釜なようなものを振り回してくる。


「…っ」


斬撃で頰と腕が切れた。
血が出てくる。


「A!!!」


せっかく伊之助との任務なのに。
この後、ふたりで甘味処に行く約束したのに血が出るなんて最悪。


「大丈夫!!」


正直、大丈夫じゃない。
かなり強い相手。

私たちじゃ階級が低すぎる。


「俺様が相手だあ!!」


あの馬鹿。
何の考えもなしに突っ込んで…

氷の呼吸 壱ノ型 氷龍の舞


「伊之助、落ち着いて!」


「っA」


鬼の腕を切り落とした。


「ガァァァ!!」


「再生早すぎ」


すぐに再生されてしまったけど。

鬼の釜が私目掛けて飛んでくる。
それを伊之助が刀で受け流した。


「Aに手ェ出すな!!」


か、かっこいい。


「グァアァァァ」


大きく唸ると鬼が伊之助を飛ばす。


「ぐあっ!!」


伊之助が木に背中を打ち付けた
その瞬間、鬼が目にも留まらぬ速さで伊之助の前に行って釜を振りかざす。

あのままじゃやられてしまう。


「伊之助ぇ!!」


解決策なんて思いつかなかった。


「…ッA!!!!」


だから伊之助と鬼の間に体を入れた。


「…っう、あっ」


意識を失いそう。
視界がズレて低くなる。


獣の呼吸 参ノ牙 喰い裂き


私を攻撃して油断した鬼の首を伊之助が斬った。
ああ、よかった…これで。


「しっかりしろ!!」


猪頭から溢れ出る涙。

私の体は鬼の釜によって下半身と上半身が泣き別れになった。


「ごめん、伊之助。甘味処行けそうにないや」


「死ぬな!!死ぬなよ!!」


もうすぐ死ぬっていうのに私はなぜか暖かい気持ちになった。


「なんで俺を庇ったんだよ!!」


「生きていてほしかった」


自分の命を犠牲にしてでも守りたかったから。
生きていて欲しくて。


「伊之助、好きだよ。私のぶんも生きてね」


「Aッ!!」


「顔、見たい」


「見せてやるから、いくらでも見せてやるから死ぬなッ!俺のこと好きなんだろ!!」


ああ、意識が遠のいていく。

ごめんね、好きだよ。
伊之助はずっと生きてね。

最後に見た伊之助の顔は泣き顔も綺麗だった。






end.

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美桜 - 話好きです。続けて下さい。更新頑張って下さい。 (2019年3月2日 20時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
ファルル(プロフ) - 竈門炭治郎ですよ!門が抜けています (2018年8月8日 0時) (レス) id: 75508b9973 (このIDを非表示/違反報告)
たごちゃん(プロフ) - 涙が止まらないです。切なくて。すごく心動かされました。ありがとうございます。 (2018年7月7日 0時) (レス) id: dffad2ad26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:enen♪ | 作成日時:2017年7月20日 17時

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