３０話 何言ってるんだ ページ31
「で、なんでそのまま連れて来たんですか？？」
今、私はちょっとどころかけっこう怒っている。だって、この
「ごめんって！ほら、これもあるしさ！」
そう言って五条先生が取り出したのは、超有名店の高級アイスクリーム。いつからそんなの持ち歩いでたんだ
「ほら、これあげるから！チャラってことで！」
「ええ……」
どうしよう。正直このまま怒ってもいいが、絶対にこの人は反省しない。断言しとく
「え！？なにそれアイス？いいなー、俺も食べていい？」
そんな会話をしていると、悠仁が戻って来て、そんなことを言い出した
「五条先生、悠仁の分もくれるならチャラにしてあげてもいいですよ」
「まじ？！」
「君、ほんとに悠仁には甘いよね」
そう言いながらも、アイスを手渡してくれる先生。アイスもふつうにおいしそうだしいっか
「ねえねえ、アイスならお風呂あがりに食べたほうがウマくない？」
「たしかに」
悠仁が言っていることもわかる。ならお風呂あがってからにしようかな
「五条先生、これ冷やしといてください」
「もう、人使い荒いなあ」
そう言いながらも、ちゃんと冷凍庫に入れている五条先生。素直なのが逆にこわい。まあ別にいいけど
「じゃ、悠仁、どっちから入る？」
「んー、俺は別にどっちでもいいよ。天音から入ったら？」
私も別にどっちでもいいけど、そう言うなら一番風呂に入らせてもらうことにする
「じゃあ私から入るよ」
そう言って、脱衣所に行こうとしたところで、ふと気づいた。あれ、私シャツとか持ってないじゃん
「先生、今すぐ高専に戻ってください」
「うわ、なになに！？」
脱衣所に行ったと思っていた私が戻って来たことにびっくりしたのか、悠仁が飲んでいたジュースを吹いていた。床が……
「えー、なんで？」
「着替え、全部持ってこれなかったんです。先生のせいで」
先生のせいで、のところを強調していったのだが、本人は全く気にしていなさそうだった
「僕めんどくさいしなあ……あ、そうだ！どうせなら悠仁のシャツ借りれば？」
「「ブフォッ！！！」」
「いや、なんでその思考にたどりついたんですか？ふつうに取って来てくださいよ」
ほんとに何言ってるんだこの教師
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作者名：天泉(あまみ) | 作成日時：2022年5月27日 22時
