黒音の奏者。【ブラクロ】

黒の卵が5つ ページ5

A side

授与式終了後。

A 『あ、ねぇ！早く魔法試したいから帰ったら森に行っていい？良いでしょ？シスター！』

シスター 「ふふっ。しょうがないわねぇ。じゃあ暗くならない内に帰ってくるのよ？」

A 『はいはーい！』


ごめんなさい、シスター。
森には行かないけど嘘じゃないんだ。


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教会に着いた。
もう時間がない。

早く笛を持って行かなくちゃ…！

私が探しているのは、唯一の財産であり一番の宝物。

ユノがペンダントを持っている様に、私にも。

ここで拾われた時から、ずっと一緒だった。

見ぃつけた。私の“魔笛”。

多分誰かの魔力が込められてる。
そしてなんだろう、懐かしくなる。

一度吹いてしまえば、落ち着ける。

もう大丈夫。
魔笛があれば、どこまでも行ける気がした。

よし、行こう。
皆が帰ってくる前に。

そして、アスタが初めて絶望してしまう前に。

私は、2人みたいに強くない。
むしろずっと弱い。

だけど、私がしなきゃいけないことがあるはずなんだ。

たとえ、原作を知っている私が、未来を変えてしまうとしても。

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