この夜空に手を伸ばせば

7 話 ページ8

「.....か、彼女...？」



彼女いたんだ。


ちょっと悲しいな。

...え、なんで悲しいんだろう。



「あぁ、モネっていうんだ。
...今から1年くらい前、僕が住んでいた所では戦争が起こっていた...」


シュンくんは彼女が死んでしまった時のことを話し始めた。








シュンside



『あ、モネ！！』



ﾊﾞﾝｯ



俺は見てることだけしかできなかった。

助けてあげられなかった。



モネに駆け寄ると、銃で撃たれていて、もう虫の息だった。





『モネ！死ぬな！！』



僕の声が辺りに響く。



『...シュン...ﾊｧ、ﾊｧ』



息をすることも辛そうなモネ。

僕はどうしたら...



『...私はもう、ダメだわ...』

『！ どうしてそんなことを言うんだ！！』

『...自分の命の終わりくらい、分かるわよ...』



そんな...



『...だから、聞いて...ﾊｧ、ｹﾎｯ！』

『何...？』



モネが最後に、僕に伝えたかったこと。









『......私は、貴方に生きてほしいわ...』

『！！』





僕の目から、涙が溢れた。


モネの目からも。

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