目黒くんと宮舘さん 2

75 nb ページ27

渡辺side




ポケットにいつ混同したのか2本もリップクリームが入っていて、1つを戻す。




涼太につられて買った匂いつきリップクリーム。






薬用の方が安いし良いのに、


思えばこれを買った時からだ、いろいろ。






使わず収まるままの香るリップがまるで自分らしい。






渡｢あ"ー……｣




セットした髪を掻きかけて止める。


地面を蹴った。








　



　



宮｢翔太｣









振り返ったら髪を切ったお前がいた。




目黒の言葉を思い出して、





その短髪は誰の為かなんて









渡｢…髪、いいな｣




宮｢今日遠出するから合わせてきた。

翔太も前髪ないのいいね｣




気休めなんかいなくなっちまえ。





______________________________




装飾品店。


服屋。


おもちゃ屋。…おもちゃ？





涼太とショッピングモール内をぐるぐる回る。









リング付きのネックレスを持ち上げた。




宮｢？それ女性用｣

渡｢分かってる｣






んっとに！女々しい女々しい！止めろ俺！



似合うかなとか…こんな細っこいのはそれこそ佐久間とかじゃねーと、





……考えれば考えるほど深みにはまる。




今さら実らせようとする自分が嫌になってきた。


いやね、重々承知なんですけどね。






佐久間は｢まだ好きじゃないかもよ｣と、


心の逃げ道を用意してくれただけなんだ。









宮｢翔太とも何か買おうか｣

渡｢…へ、｣



宮｢クリスマスプレゼント。お互いに｣








いっぱい間が空いて、涼太が気まずそうに視線をずらした。




宮｢幼なじみでそれはないか｣




違う。








渡｢そ、だな｣






また涼太は苦笑した。









、大嫌いだ。





　








大規模モールだからこそ店舗が多い。





渡｢指輪とか買ったればぁ｣

宮｢ゆびわ？｣



強ばった声。




渡｢…え何、結婚指輪でもないのに｣


宮｢………特別感あるし。まだ早い気が…｣









_______駄目だ、俺もう駄目だ。





目黒のことで赤くなる涼太を見れねぇ。









宮｢とにかく指輪はいい｣



そっぽを向く背中がもやもやに繋がった。









渡｢買い物、終わったらちょっと外行こ｣





高圧的に聞こえたのかもしれない。







無言のままこてんと頷かれた。

76 nb→←74 mm

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す