61 mm ページ13
目黒side
ピロンッと、誰かからのメールが入った。
言い淀む涼太くんに断りを入れて覗くように見る。
渡『目黒はぐだぐだ悩む奴じゃないでしょ』
突然の餞別みたいな1行。
宮「ごめん」
目「…何が?」
宮「付き合っていたいこの気持ちが、悪いものだと思ってた」
ほろほろ紡がれだした台詞を聞く。
宮「俺を蓮で埋めるのは良い、、
蓮が俺で埋まるのが怖くて。
蓮は俺を好き過ぎるから、その感情が過去になったとき、すごく重くなるから」
目「_____ならねぇよ」
破裂した。
目「勝手に涼太くん以外を好きになる俺なんて想像すんなよ!」
その想像で何度あんたを苦しめたんだ。
宮「だって…好きは移ってく」
目「違う」
宮「移るんだよ!」
目「俺は違ぇ!!」
両腕千切れたって涼太くんを抱く。
安直だけど、こんなに想える人なんてもういないんだ。
目「……………………………………………好きなんだ」
溜まりに溜まっていた不安が波になって零れてきた。
涼太くんは、はっとして、自分だって泣きかけてるのに慌てて俺の頬を拭いに来る。
その伸ばされた腕ごと胸中に埋め込んだ。
目「ずっと涼太くんがいることは変わんねー、俺の未来なんか心配しなくて良い!」
隣にいるのは涼太くんだ。
あんた以外を好きになってたまるか。
宮「………ん、」
いつもみたいに頷こうとして詰まった涼太くんは、初めてくっと嗚咽を漏らした。
宮「勝手に…ごめん…っ」
年下という立場を利用して、責任感や世間体を全て涼太くんに気にさせていた。
俺は好きという想いだけで突き進もうとしてたけど、
……………想いだけでは俺らは歩いていけないんだ。
付き合い始めて約1年半。
本音という本音をぶつけたのは今日が最初。
まだまだ先は長くしていきたい、ぶつかり合えた俺らならきっと。
悩む奴じゃない…そうだな俺、
届くまで溶かし込むみたいに涼太くんを抱きしめた。
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るん(プロフ) - はじめまして!めめだてが好きで、この作品に巡り合いました。切なくて、ドキドキして、どんどん続きが読みたくなります。こんなに素敵な作品に出会えて嬉しいです!またいつか、目黒くんが卒業した後のお話が読みたいなと、更新楽しみに待っています! (2022年1月12日 1時) (レス) id: afd921f300 (このIDを非表示/違反報告)
aytu(プロフ) - きょうはクリスマスです。急にこのお話思い出して、改めて読むと、やはりこのお話すごく好き!と思っていますね。^^いつも更新楽しみしています。 (2021年12月25日 21時) (レス) @page36 id: d8e0a6dc06 (このIDを非表示/違反報告)
かんかる - floveryさん 更新期間が空いてしまいすいません涙 この後dtさん視点でも書く機会を予定しているので、そちらも気長に待っていただければ…本当に遅くなってすみませんでした、コメントありがとうございます!!! (2020年11月20日 16時) (レス) id: e59ae82cb4 (このIDを非表示/違反報告)
flovery(プロフ) - はじめまして!更新待ってました!しかもずっと気になってためめだて出会い編でとても嬉しかったです!今後のお話も楽しみにしています! (2020年11月19日 22時) (レス) id: c3708e43a6 (このIDを非表示/違反報告)
かんかる - ajdugmtaさん 待っててくださり感無量です!!これからもお願いいたします…! (2020年9月22日 10時) (レス) id: e59ae82cb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かんかる | 作成日時:2020年5月14日 16時