25 mm ページ26
目黒side
目｢足…？｣
誤魔化すように涼太くんが言葉を探す。
少しの沈黙が長く感じた。
先に解凍されたのは俺だった。
目｢見るよ｣
裾をゆっくり捲るときも涼太くんは微動だにしなかった。
応急処置のように貼られたシップを剥がす。
赤く腫れたくるぶし。
________この数日ずっといて、俺は、
何を見てたんだ。
目｢…テーピングした方がいい｣
宮｢あ、………でも大し｣
目｢大したことないとか言わないで｣
元運動部として経験にテーピング方法は常駐してる。
涼太くんも前はダンスをしてたから、救急箱を見れば物も入っていた。
何で言わなかったの、なんて、
分かりきったことを口から出しそうになる。
どんな人か知ってたはずなのに。
涼太くんは自分を省みにくい。
目｢俺、俺のことばっか｣
少しでも丁寧に手順を踏んでいく。
久しぶりだからという理由だけではこんなに手は震えない。
涼太くんが何て言うか分かってる。
目・宮｢言わなかっただけだよ｣
重なった台詞に、涼太くんが一瞬目を見開いた。
目｢どこまでも気を遣ってちゃ、俺たちいつか…息苦しくなっちゃうよ｣
宮｢…うん、ごめん｣
目｢ｯや、！違う、俺が言わせなかったんだよ、違う｣
何謝らせてんだ俺。
本心という名の壁で本当に″言うべき″言いたいことが見つからない。
こんなときまで、自分の言葉が操れない。
目｢翔太くんには言ってたの？｣
宮｢いや、、…バレたのかな｣
頭を銃器で殴られたようだった。
宮｢中断させてごめんね。勉強｣
目｢涼太くんが謝ることなんて1個もないっす｣
宮｢ん、ごめん｣
揃わない足踏みに心が締まる。
心の凝りがなくならない。
目｢ごめんなさい｣
心の底から言ったはずなのに、耳にするとどこか薄かった。
宮｢ううん。ほら、そろそろ帰る時間でしょ。
テスト頑張ってね｣
______________________________
どうするのが正解だったんだろう。
夕方と夜の狭間、暗くなった道を帰りながら、
涼太くんの表情が頭から離れなかった。
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かんかる - カッテージチーズさん ありがとうございます！そーなんですよ、めめだてマイナーですよねぇ泣 でも楽しんで頂けて嬉しいです！コメント励みになります、頑張ります！ (2020年5月5日 23時) (
レス) id: e59ae82cb4 (このIDを非表示/違反報告)
カッテージチーズ - いつも楽しく拝見させていただいてます!めめだてはあまりイメージが無かったのですがとても面白いお話だったのでハマっています!更新頑張って下さい。楽しみにしています!! (2020年5月5日 18時) (レス) id: 039c8dff31 (このIDを非表示/違反報告)
かんかる - ↓すいません！aytuさんですね汗 (2020年5月3日 22時) (レス) id: e59ae82cb4 (このIDを非表示/違反報告)
かんかる - ayutuさん わあ、私話の中軸が｢戻らない青春｣的な、細○守みたいな感じなんです笑読み取って下さる方が…！嬉しいです、ありがとうございます！ (2020年5月3日 22時) (レス) id: e59ae82cb4 (このIDを非表示/違反報告)
aytu(プロフ) - 大好きです！懐かしい青春を思い出して、感動しました（笑）これからも更新楽しみにしております！ありがとうございます！ (2020年5月3日 17時) (レス) id: f27aee443f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かんかる | 作成日時：2020年4月13日 0時
