失われた輝きを 3【fate×ヒロアカ】 (ページ28)

今日:9 hit、昨日:6 hit、合計:85,204 hit

英雄122話ページ28

剣城side

見えなくなったボールを投げようとした瞬間

ザパァッ！！

後ろから水しぶきが上がる
すぐさま飛び退き正体を確かめるが、その頃にはもう水の中に潜っていた

剣「一体、何が…！」

目を凝らして水中を凄まじいスピードで動く＂それ＂をじっと見る

剣「ッ！来る！」

自分の真下に黒い大きな影ができ、水面に出てくる前にジャンプする
物凄い音と共に姿を現したのはデカいワニだった

ワ「クソ！また逃したか…！」

大きな口をパックンと閉じるのを見ると、食べられてしまう恐怖を覚えるが

また水中に潜り、一直線にこちらに向かって来るところを聖剣を構える

剣「タコより怖いものはない！！」

ワ「うぐっ…！！」

飛び出して襲いかかって来るワニに思い切りスイングをかます

伸びて水に浮くワニに近寄り、ターゲットを探すと、よく見るとワニの尻尾にも人がくっついていたことに気づいた
あのスピードはこの子が援護していたからか

モ「ヒッ…！」

峰田くん位の大きさのその子は怯えていて、抵抗する気は無さそうだ

剣「すみません、当てさせてもらいます…」

心が痛むがボールを六つとも当てさせて貰い、指示のアナウンスに従って控え室に行く

剣「うわっ結構人いる…」

でもまだクラスのみんなはいないようだった
知り合いなんているはずないので端にあったソファに座る

夜「あんた雄英の人ッスよね！」

急に声をかけられて顔を上げるとさっきのパワフル少年がいた

剣「はい…えっと剣城Aです。よろしくお願いします」

なんて返したらいいのか分からず取り敢えず自己紹介をしたら目を見開かれた

夜「俺は夜嵐イナサ！あんたのことは体育祭で知ってるッスよ！俺も同じ風を操る個性なんス！」

剣「そうなんですか！私は細かな操作が出来ないのでもし良ければ今度参考にさせてくれませんか？」

夜「俺なんかで良ければ全然！あんたいい人っスね！」

唐突にいい人認定されて戸惑っていると控え室に焦凍くんが入って来るのが見えた

剣「焦凍くん！」

呼びかけるとこちらに気付いて近づいて来てくれる

夜「轟と仲良いんスか？」

剣「ええ、彼の事は尊敬しています！」

すると急に顔つきが怖くなって何処かへ行ってしまった。え、何か変なこと言っただろうか？

轟「随分早いな、まだお前だけか？」

剣「お疲れ様です。私だけですよ」

焦凍くんが夜嵐くんを見つめて顎に手を当てる

お、男の因縁ってやつか…？