失われた輝きを 3【fate×ヒロアカ】 (ページ24)

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英雄118話ページ24

轟side

真夜中、突然目が覚めた

喉がカラカラで水を飲もうと布団から這い出る
その時、エレベーターを使う物音がした

まさかと思い、部屋の外に出る
廊下は真っ暗だった

こういうのに抵抗が無いわけではないが意を決して歩み出る
やはり誰かが使ったようでエレベーターは1階に行っていた

轟「まさか…な、」

好奇心から自分も戻って来たエレベーターに乗り1階のボタンを押す
心の何処かでもしかしたらAじゃないかと

1階に降りて共同スペースを覗く

轟「！！」

そこには中庭から夜空を眺めるAがいた

轟「何してるんだ」

反応がない。ずっと空を見上げている
表情も髪で隠れてよく分からない

轟「A、聞いてるのか？もう遅いから寝たほうがいい」

振り返らないその肩に手を置く
驚いたように肩を揺らしてAがこちらを見る

轟「？どうしたんだ…？」

無表情で見上げるそいつは新鮮だった

剣「いや、何でもない。悪かったな轟」

普通に喋り出してびっくりした
謝罪しながら横を通り過ぎて行くA

その後ろ姿を見つめながら違和感に気づく

轟…？あいつ俺のこと焦凍くんって呼んでたよな？

しかし、次の日

昨夜のことを聞いても不思議そうに首を振られるだけで覚えていないらしい

それからAはボーッとすることが多くなった
それとともに夜の奇怪な行動もクラスのやつらに発見されていき、とうとう女子による対策本部が出来た

初めは麗日の部屋に泊まったらしいが夜中のAは声をかけても返事がなく、まるで別人のようだと言っていた

みんなは夢遊病だと言っているが、俺は１つ気になることがあった

あの夜、こちらを冷めた表情で見つめるAの瞳の色が黄色に光っていたこと

あの目は一度見たことがある
オルタとなったAの目だ

しかしあの個性は解けたはず、じゃあやはり見間違いか…？

昼間のAは俺が知る限りびっくりするくらいいつも通り

少し不安になったが、あいつの笑顔を見るとそれも忘れた

もうすぐで仮免試験

気を引き締めて行こうと、俺は訓練場に入った