トッカリ ページ17
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-勇払のコタン-
日高へ向かうために
馬に荷物を積んでいると...
アシㇼパ「脱糞王、夢から覚めたか。」
白石さんが小さな馬に乗って帰ってきた
白石「あー、悪い夢を見ていたようだ...」
白石「博打なんかに手を出すもんじゃねぇな。」
白石「反省したよぉ〜」
杉元「てめぇ...何も反省してねぇな...」
杉元さんは白石さんを睨んだ
『まあまあ...』
『これで懲りることができたのなら良いではありませんか。』
白石「ん〜イナンクルちゃんは女神だよ〜!!」
アシㇼパ「イナンクル、白石を甘やかすな!!」
杉元「コイツはすぐ調子に...」
アシㇼパと杉元さんは白石さんに当たりが強いような...
キロランケ「お前ら準備はいいか?」
キロランケ「日高に向かうぞ。」
杉元「よし、行くか。」
私たちは日高へ向かう
.
.
-日高-
ア"ア"ア"〜〜〜ッ!!!!
海岸中に響き渡る声...
アシㇼパ「
アシㇼパ「みんな出てきていいぞ!!」
お腹も空いてくる時間になったので
アシㇼパは海岸にいたトッカリを棒で殴って仕留めた
アシㇼパ「トッカリとは海のまわりを移動するという意味だ。」
アシㇼパ「日高にはアザラシが襟裳岬を回って稀に来るんだ。」
アシㇼパはトッカリを捌き始める
『日高ではトッカリがあまり獲れないのでユㇰと同じくカムイとして扱わないそうですよ。』
キロランケ「もっと北の樺太なんかじゃ生活と密接な生き物なんでヒグマと同じくらい重要な海の神様として大事にしている。」
杉元「へー神様にも地域差があるのね。」
カムイの地域差かぁ...
杉元「アザラシの肉って真っ黒なんだな。」
杉元「来いよシライシ、脳みそ食べていいってさ。」
白石さんは遠くでジッと私たちを見ている
キロランケ「焚き火の準備ができたぞ。」
『さっそく調理を始めましょう。』
食べやすい大きさにトッカリの肉を切って
内臓も一緒に鍋の中へ入れて煮込む
アシㇼパ「アザラシの肉は血の臭いが強いけどしっかり煮込むことで血が抜けて美味しくなる。」
アシㇼパ「肝臓も肺も煮込んで食べる。」
アシㇼパはゴソゴソとサラニㇷ゚の中の物を探す
アシㇼパ「わああああ!!!!」
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作者名：檜枝 | 作成日時：2020年3月23日 7時
